ICT×エネルギーによる“地産地消型エネルギー社会”の実現に向けて NTT西日本:EV(V2B)を活用したオフィスビルでのエネルギーコスト・CO2削減トライアルの開始について
- 2018/10/30
- Motor Fan illustrated編集部
西日本電信電話(NTT西日本)とNTTスマイルエナジーは、日産自動車と協業し、電気自動車(EV)を活用したV2Bによるオフィスビルでのエネルギーコスト・CO2削減トライアルを2018年12月から開始する。
*ICT:『Information Communication Technology』の略で情報通信技術の略称
*V2B:『vehicle to building』の略で自動車とビルの間で電力相互供給する技術やシステムの略称
パリ協定を契機として、CO2削減が世界の大きな潮流となっており、企業や自治体において、RE100 (*3)やSBT (*4)、ESG (*5)の観点から再生可能エネルギーの利用価値が高まっている。それに伴い、CO2排出量の多いガソリン自動車からEVへのシフトが加速しており、NTTグループとしてもEV100 (*6)に加盟し、保有している一般車両を2030年までに100%EV化することを宣言している。
本トライアルでは、太陽光発電システムに加え、V2BによりオフィスビルとEVでの電力相互供給をICT(IoT、AI)で最適制御し、エネルギーコスト削減やCO2削減等の有効性を検証する。また、EVの遠隔制御は、 賢い(低コスト、低CO2、ユーザー利便性が高い)クラウド機能として開発し、将来的には定置型蓄電池の活用についても検証実施予定。
【主な検証項目】
① 日産自動車とのクラウド連携(遠隔制御)によるV2Bを活用した電力最適制御
② EV100向け、エネルギーコスト削減・BCP等EV活用ソリューションの検証
③ RE100向け、CO2削減ソリューションの検証
④ 再生可能エネルギーやEV等を組合せたデマンドレスポンス (*7)等のエネルギーサービスの検証
【検証場所】NTT西日本 山口支店(山口県山口市熊野町4-5)
【検証環境】V2B(3台)、日産リーフ(3台)、太陽光発電システム(16.5kW)
【検証期間】2018年12月1日~2020年3月31日
【検証方法】
太陽光発電システムで発電した電気をオフィスビルで自家消費しつつ、発電量、電力使用量、EV使用状況に応じて、クラウドからEVや定置型蓄電池を遠隔制御(充放電)し、EV利用ユーザーの利便性を損なうことなく、エネルギーコストやCO2排出量をいかに削減できるかを検証する。また、エネルギーコスト削減・デマンドレスポンス等のエネルギーサービスの検証においては、電力小売電気事業者である株式会社エネットと連携し効果の測定・分析を実施する。
今後、環境推進に取組む自治体、企業と意見交換を行い、検証内容を随時見直しながら進めていく。本トライアル後は、実証結果を踏まえ、改善を行い、2019年度末までにサービス化をめざすと共に、NTTグループのEV100やEP100をより効果的に実現するための取組みとして、全国へ展開していく。更に、地産地消型エネルギー社会の実現に向け、取組みを進め、ICT×エネルギーによる社会課題の解決に貢献していく。
*3 事業運営を100%再生可能エネルギーにより行うことを目標に掲げる企業が加盟する国際イニシアチブ
*4 企業に対し『科学的根拠』に基づく『二酸化炭素排出量削減目標』を立てることを求めているイニシアチブ
*5 環境(environment)、社会(social)、ガバナンス(governance)の頭文字を取ったものであり、企業が中長期的な成長をめざすためにこれら3つの視点が重要であるという考え方のこと
*6 企業による電気自動車の使用や環境整備促進を目指す国際ビジネスイニシアチブ
*7 電気の需要(消費)と供給(発電)のバランスをとるために、需要家側の電力を制御すること
卒FITユーザー:固定価格買取制度の買取期間が終了したユーザーのこと
PPAモデル:電力消費者の敷地や屋根上に、事業者が太陽光発電システムを設置し、そこで発電した電力を顧客に販売するモデルのこと
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