マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレインだったのか
- 2019/07/27
-
世良耕太

完成されたバランスを維持しようとすれば、トヨタ流のハイブリッドになってしまう。 マツダ流を押し通そうとすればバランスは崩れ、協業する意味を失ってしまう。 トヨタから受け取った「素材」をいかにマツダ流にアレンジするかが勝負だった。
TEXT:世良耕太(SERA Kota)
2010年3月、トヨタ自動車とマツダは、プリウスのハイブリッド技術ライセンス供与に関し、合意に達した。実を結んだのが2013年10月に発表されたアクセラというわけである。
マツダは2015年までにグローバルに販売するマツダ車の平均燃費を2008年比で30%向上させることを目指している(執筆当時)。2007年の段階では、減速回生、ハイブリッド、電気自動車、プラグインハイブリッドなど、電気デバイスは増えていくという普及予測を立てていた。だが、主たる発動機が内燃機関であることに変わりない。内燃機関がクルマの動力のメインだろうという予測のもと、クルマの基本性能の向上を図ったうえで、電気デバイスを組み合わせていくビルディングブロック戦略を立てた。

まず、内燃機関と車体の技術を徹底的に追究し、これにスカイアクティブテクノロジーを組み合わせていく。これをベースに電気デバイスを段階的に導入する。すなわち、アイドリングストップのi-stop、減速エネルギー回生システムのi-ELOOP。そして、ハイブリッドだ。ハイブリッドは3番目のステップとなる。
「マツダとして初めてハイブリッドを市場導入するにあたり、狙いを定めました。アクセラの走る歓びを実現しながら、トップの燃費性能を実現し、乗って楽しいハイブリッドにしたい。それがコンセプト。ひと言で言うと、マツダのDNAを持つハイブリッドということです」
そう商品本部の柏木章宏氏は説明する。マツダはこれまで独自にハイブリッドシステムを開発していたが、「短期で知見を獲得しながらビジネスで成功させること」を考慮し、トヨタから技術ライセンスの供与を受けるのがベストだと判断したのだという。
- 1/2
- 次へ
|
|

自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
最新自動車テクノロジーレポート2021

鍵は机上でのシミュレーションと実車の走行テストの間にある! AV...
PR

【SMT】解析モデル作成の効率向上と機能拡充でよりパワフルに
PR

【不二越】カーハイドロリクス&軸受:油圧制御で培われた技術で...
PR

【シェフラー】コア技術を最大限に生かす次世代技術への取り組み
PR

【アンシス】電動化への数々の課題を解決する設計·開発プロセスに...
PR
水平対向と星型とロータリーエンジン特集
水平対向と星型とロータリーエンジン特集 一覧へ会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chapter2...

マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善手法...

マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエンジン...

ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態

林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えてくだ...

マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレインだ...
3分でわかる! クルマとバイクのテクノロジー超簡単解説

3分でわかる! スーパーカブのエンジンが壊れない理由……のひとつ...

3分でわかる! マツダのSKYACTIV-X(スカイアクティブ-X)ってな...

スーパーカブとクロスカブの運転が楽しいのは自動遠心クラッチ付...

ホンダCB1100の並列4気筒にはなぜV8のようなドロドロ感があるのか...

ホンダ・シビック タイプRの謎、4気筒なのになぜマフラーが3本?
