ベアリングキャップ:シリンダーブロック下面にクランクシャフトを収める際、ベアリングキャップをひとつずつ留めるのではなく、一体型のはしご形状として固定することで、クランクの暴れを最小限に抑えるのが振動には有利である。写真のシボレー・コルベット用のシリンダーブロックは5ベアリング構造。当然、支持数が多いほうが有利だが、廉価版エンジンでは左右端および中心部のみ支持する3ベアリング構造というエンジンも存在する。
水平対向エンジンの場合、構造的にディープスカートは不可能。半面、左右ブロックが互いを強固に締め付け合う構造のため、クランク支持剛性を高くすることができる。ピン配置は180度位相。前後長を抑えたいためクランクウェブは可能な限り薄くされ、その様相をもって「カミソリクランク」と称される。ちなみに、相対する気筒のクランクピンを共有していればV型エンジンであり、水平対向エンジンとは区別する必要がある。
等間隔点火のためのピンオフセット:V6エンジンを等間隔点火とするには、720度÷6=120度という数字が得られるが、市販車のエンジンルームに搭載するにはバンク角120度は広く現実的ではない。そこで、クランクピンをオフセットさせ等間隔点火とし、バンク角も狭く設定する方法が一般的である。たとえば写真左のGMの60度バンクの場合はピン(赤)配置を60度をずらす(赤丸)必要があり、ピン間にクランクウェブ(青)を介している。右写真のメルセデスは90度バンク(30度ピンオフセット:赤丸)構造。
クランクシャフトは製法別で組立式と一体式に大別される。一体式の場合、後述のクロスプレーン構造だとピンやカウンターウェイトが同位相で並ばないため、鋳型から抜くことができない。そこで、鍛造直後の熱間時にねじってピン位置を動かすツイスト工法が編み出された。
フラットプレーン/クロスプレーン:V8エンジンを等間隔点火構造とするためには、720度(4ストローク機関の1サイクル)÷8=90度となり、バンク角もほぼ例外なく90度に設定される。いっぽうでクランクピン配置については、180度位相のフラットプレーン(左)と90度位相のクロスプレーン(右)がある。前者はバンク間同士の排気干渉がないことから高回転型のユニットに、後者は振動特性に優れるメリットがあるため一般的なV8ユニットに用いられる。
ベアリングキャップ:シリンダーブロック下面にクランクシャフトを収める際、ベアリングキャップをひとつずつ留めるのではなく、一体型のはしご形状として固定することで、クランクの暴れを最小限に抑えるのが振動には有利である。写真のシボレー・コルベット用のシリンダーブロックは5ベアリング構造。当然、支持数が多いほうが有利だが、廉価版エンジンでは左右端および中心部のみ支持する3ベアリング構造というエンジンも存在する。
水平対向エンジンの場合、構造的にディープスカートは不可能。半面、左右ブロックが互いを強固に締め付け合う構造のため、クランク支持剛性を高くすることができる。ピン配置は180度位相。前後長を抑えたいためクランクウェブは可能な限り薄くされ、その様相をもって「カミソリクランク」と称される。ちなみに、相対する気筒のクランクピンを共有していればV型エンジンであり、水平対向エンジンとは区別する必要がある。