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実走燃費はガソリン1000円分で500km以上と判明 単なる配達専用機じゃなかった!? スーパーカブ110プロの実力試乗レポ

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2017年11月10日の発売と共に市場ではかなり話題が集中した新型スーパーカブだが、それと同時にひっそりと(?)デビューしたスーパーカブ50/110プロもじつはなかなかの完成度なのである。今回は宅配業務向けに専用開発されたこのスーパーカブ110 プロを乗り倒してみた。(REPORT:近田茂 PHOTO:山田俊輔)

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ホンダ・スーパーカブ110プロ……297,000円

一度使ったら病みつきになる「前かご」の魔力

フレームにマウントされたフロントバスケット。容量的には約22Lに及ぶ。その積載力と扱いやすさは抜群。バスケット上部の寸法は453 ×244mm とワイド。深さは235mm 。
スーパーカブ50/110プロ をクルマに例えると、貨物用バンのような存在。個人用途としては乗用ワゴンに目が行くのが普通だから、あまり一般ユーザーの選択肢には入ってこない製品と言えるだろう。
そのまま新聞でも八百屋でも「配達用途」に特化した装備を持つヘビーデューティな仕様は、普通の用途からすれば一線引いたスタンスなので、それも当然だろう。今回試乗するまで、正直言って記者もスーパーカブプロ については縁の薄いモデルという程度の認識を持っていたが、それは単なる「食わず嫌いだったのかも」と、改めさせられた。

しかしこの機能性を重視した前かごや後ろのキャリアの恩恵は、とにかくすごい! 今回、2 日間だが日常の足として乗り倒してみたところ、細かな機能面でよく考えられているな、と随所で感じた。
さらには、自分好みの1 台に仕上げるベースマシンとして、格好の逸材である事が理解でき、大いに興味が沸いてきた。ちょっと太めの14インチ小径タイヤの採用と細部まで強化された重荷重対応の専用設計はいかにも堅牢なイメージ。まさにタフなヤツそのものな雰囲気は頼り甲斐がある。

前後に14インチ小径ホイールの採用が特徴。フロントフォークもゴムブーツが採用されたプロ専用タイプがマッチされている。
新型スーパーカブ50/110が17インチホイールを履いているのに対して、スーパーカブ50/110プロは14インチ。取り回しを重視して小径サイズの選択となっている。全体的なサイズ感は同等ながら、足が短く見えるダックスフンド的スタイルである。少しアンバランスなところが、かえって可愛らしく見えてくるから不思議なものだ。

ハンドルもスーパーカブならではのアッパーカウル&丸型ヘッドライトの組み合わせではなく、クランプ式のハンドルバーの組み合わせ。スーパーカブ50/110よりも若干ワイドなポジションと感じる。シート高はスーパーカブ50/110プロの方が5mmほど高いが、足着き性は同程度。ステップ幅は少しワイドに感じられた。また気のせいか、シートクッションの張りが強めに感じられ、しっかりとした硬さを覚えた点が印象的だった。

シート高はスーパーカブより5mm高いが、足着き性は同等か若干良い感じ。ご覧の通り余裕を持って両足はベッタリと地面を捉える。

エンジンは定評の109cc空冷4ストロークOHC単気筒

エンジンは標準タイプと共通。ロングストロークタイプの空冷OHC 単気筒。
搭載エンジンはスーパーカブ50/110それぞれと共通。違うのは小径ホイールに合わせて二次減速比が高めに設定されたこと。タイヤの小径化を含めた総合的なレシオでは、スタンダードよりもやや低めの設定となっている。
そのせいか、 今回試乗したスーパーカブ110プロはじつに元気よく、キビキビと良く走る。重装備でも難なくカバーする適切なギヤ比が与えられたわけだ。スーパーカブ110は小気味良いエンジンの伸び感を楽しみながらユッタリとシフトアップしていく心地よさがある。一方スーパーカブ110プロ はグイグイと快活な噴き上がりを発揮。その分早め早めにシフトアップしていくが、その元気良い雰囲気がまた魅力的に思えた。特に市街地での走りに適している。

今回、普段ならクルマで行くような用事(年末の懇親会)にスーパーカブ110プロで出かけてみた。ネクタイにスーツ着用の上にオーバーパンツと防寒ジャケットを重ね着し、現着後はその上下をクロークに預けた。もしこのスーパーカブ110プロのリヤキャリヤに大きなボックスを後付けしてあげれば、積載面、セキュリティ面と防雨も叶い、実用上の使い勝手はクルマに匹敵……とは少し言い過ぎだが、実用性は劇的に向上する。このスーパーカブ50/110プロのリヤキャリヤが、スーパーカブ50/110よりも一回り以上大きいのも、大きな利点である。

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