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アグレッシブなポテンシャルは意外な魅力を発揮してくれる。 【ホンダCBR400R試乗】今ドキのヨンヒャク2気筒は、パワー不足を感じさせない超実用派です!

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400Xと共に3月22日に新発売されたCBR400Rは国内市場で期待のミドルクラス。普通二輪免許で乗れるスーパースポーツである。

REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ホンダ・CBR400R……793,800円

車体色は3タイプ、パールグレアホワイト/グランプリレッド/マットアクシスグレーメタリック

 CBR400R新型登場の報があったのは1月29日の事だった。広報写真から伝わる見栄えの第一印象ではあまり大きな変更が見られなかっただけに、いわゆるちょっとしたマイナーチェンジだろうと筆者はあまり気にもかけていなかったのだが、ツインリンクもてぎで開催された発表撮影会に出向くと、想像以上の熟成ぶりと進化の大きさに驚かされた。
 
 ウェッジシェイプで構成されるサイドビュー等、全体的な印象は同様ながら、実車を目前にすると本気度の異なる雰囲気が漂ってくる。低くシャープさを増したフロントスクリーン。前傾姿勢を強めるために低く設定されたハンドル位置。新型メーターやウインカーのLED化等、細部にわたり徹底的に改善されていたのである。
 
 開発コンセプトのキーワードは「より刺激的に!より自由自在に!」だ。随所にホンダレーシングDNAのフィードバックが唄われ、実質的な変貌ぶりの大きさが窺い知れる。カタログコピーに見つけた「湧き上がるパワーフィール。磨かれた官能性能。」にも期待が高まる思いがした。

 基本的に400Xと共通の270度クランクを持つ水冷ツインエンジンには噴霧の狭角化と噴霧粒径の最適化で吸気バルブに集中して燃焼ガス供給を担う新型インジェクターを採用。 従来モデル比で全回転域に渡るパワートルクアップを実現している。
 
 バルブタイミングやリフト量の最適化も相まって、特に3000~7000rpmのトルクは3~4%も向上。ピークトルクも膨らみ、最高出力発生回転数は9500から9000rpmに低くなったのも見逃せない。

 緻密な回転センシングと吹き上がり感を強調した燃料噴射セッティングも施され、より扱いやすいスロットル制御を実現していると言う。

多くの場面で逞しさを感じられる出力特性に美味しさがある

 跨がってみると、上体が前傾するスポーティなライディングポジションが印象的。従来モデルではむしろFというネーミングの方が似合う部分もあったが、新型はRに相応しい仕上がりである。

 実際、正立式フロントフォークをクリップオンするセパレートハンドルは、トップブリッジの下側で固定されており、上体は従来モデルよりも8度前傾する。

 こいつは気分が異なる。跨がった瞬間からアグレッシブな雰囲気に包まれるのである。とは言え、あくまでストリートモデルとしての分別のある範囲内であり、街乗りやツーリングでも辛くないのが好印象だ。

 車体はなかなかのボリューム感だが、俯瞰するとくびれのあるフォルムで、乗車位置はスマート。車重は192kgで、兄貴分の4気筒650よりは、取りまわしも軽くて扱いやすい。

 しかし何よりも嬉しいのは、出力特性の発揮が実用域と絶妙のマッチングを披露してくれる点にある。
 
 発進後スロットルを開けていくと、想像以上の逞しさを実感。大型バイクのパフォーマンスを知るライダーが乗ると400のそれは少なからず引け目が(諦めを)感じられるレベルを想像していたが、そんな心配は一気に消し飛んでしまった。
 400ccで4気筒だとフリクションロスとの関係で、スムーズではあってもパフォーマンスを発揮する上で無駄が多い。改めてこのクラスのツインに乗ると、それぞれの爆発エネルギーが遺憾無く発揮される感じが素直に伝わってくるのである。

 6速ミッションの繋がりも良く、市街地でも高速道路でもそして峠道でも常に活き活きと走らせるに十分な動力性能を発揮。6速トップ100㎞/hクルージング時のエンジン回転数はおよそ5400rpm。

 通常必要とする俊敏な性能発揮に不足はないどころか、美味しい所を楽しんでいられる時間が長い点。つまり実用要求パワーに対して常に十分なパフォーマンス発揮で応えられるところに快適性の神髄を見た。
 
 ハンドリングもブレーキも不満はなく、ツーリング用途での快適性も高い。日本で使う限り、かなりお得なチョイスのひとつになると思えた。

●足つきチェック(ライダー身長170cm)

ご覧の通り、膝にも少しゆとりを持った上で両足はべったりと地面を捉えることができた。シート高は785mm。それなりにボリュームのある車体だが、乗車姿勢はなかなかスマートに決まる。

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