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12Vゴリラを試乗インプレ♪ 可愛いモンキーとは雰囲気の異なる堂々たる風格! タンク以外もいろいろ違う。モンキーの兄貴分、ホンダ ゴリラを知る。

  • 2019/09/03
  • MotorFan編集部 北 秀昭
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1998年(平成10年) Z50J-W 12Vエンジンを搭載して10年ぶりに復活!

 10年ぶりに復活を遂げたゴリラ。メンテナンス性に優れたCDI点火のエンジンに加え、12Vバッテリーを搭載しているため、「12Vゴリラ」とも呼ばれる。

 立体エンブレム採用の9Lガソリンタンク、メッキフェンダー、メッキライトケースなど、外観は前モデルよりも豪華なイメージ。大型のリアキャリア、肉厚のシートなどは健在だ。

 足周りはモンキーと共通。ゴリラの象徴的アイテムだったフロントキャリアは廃止されている。

●主要SPEC 
全長:1365mm/全幅:625mm/全高:880mm/乾燥重量:62kg/燃料タンク容量:9L/エンジン形式:空冷4サイクルOHC単気筒49cc/最大出力:3.1ps/7500rpm/最大トルク:0.32kgm/6000rpm/変速機:4速リターン/クラッチ形式:マニュアル式/タイヤサイズ:前後3.50-8/発売価格(当時):19万4000円

1999年(平成11年) Z50J-X 限定3500台のメッキゴリラ

 限定3500台のスプリングコレクション。ライトカバー、前後フェンダー、チェーンガード、マフラーガード、フレーム、フロントフォーク、スイングアーム、リヤサス、ホイールなど、全身にメッキパーツを採用。

●主要SPEC 
全長:1365mm/全幅:625mm/全高:880mm/乾燥重量:62kg/燃料タンク容量:9L/エンジン形式:空冷4サイクルOHC単気筒49cc/最大出力:3.1ps/7500rpm/最大トルク:0.32kgm/6000rpm/変速機:4速リターン/クラッチ形式:マニュアル式/タイヤサイズ:前後3.50-8/発売価格(当時):24万9000円

1999年(平成11年) Z50J-Y 環境性能を向上&型式を「AB27」に変更

 排ガス規制に対応させるため、エンジンに「ブローバイガス還元装置」を設置。エアクリーナーやマニホールドなどの吸気系、ピストンやピストン回り、キャブレターもPA型からPB型に変更された。

 モンキーと同じく、このモデルよりフレーム・エンジンの番号は「Z50~」ではなく、「AB27~」で開始。型式も「A-Z50J」から「BA-AB27」に変更。
 この規制対応以降のモデルは、ファンの間では「AB27ゴリラ」とも呼ばれる。

●主要SPEC 
全長:1365mm/全幅:625mm/全高:880mm/乾燥重量:62kg/燃料タンク容量:9L/エンジン形式:空冷4サイクルOHC単気筒49cc/最大出力:3.1ps/7500rpm/最大トルク:0.32kgm/6000rpm/変速機:4速リターン/クラッチ形式:マニュアル式/タイヤサイズ:前後3.50-8/発売価格(当時):19万6000円

2001年(平成13年) Z50J-1 ホワイトカラー登場

 ブラック&シルバーのツートンからホワイトにカラー変更。タンクのロゴもウイングマークから「GORILLA」のみのシンプルなものにチェンジされた。エンジンや足周りに変更なし。

●主要SPEC 
全長:1365mm/全幅:625mm/全高:880mm/乾燥重量:62kg/燃料タンク容量:9L/エンジン形式:空冷4サイクルOHC単気筒49cc/最大出力:3.1ps/7500rpm/最大トルク:0.32kgm/6000rpm/変速機:4速リターン/クラッチ形式:マニュアル式/タイヤサイズ:前後3.50-8/発売価格(当時):19万9000円

2002年(平成14年) Z50J-4 盗難抑止用装置用の配線を標準装備

 別売りの盗難抑止用アラームキット装着用の配線を標準装備。カラーは野性的な深緑/黒にチェンジ。エンジンや足周りに大きな変更はない。

●主要SPEC 
全長:1365mm/全幅:625mm/全高:880mm/乾燥重量:62kg/燃料タンク容量:9L/エンジン形式:空冷4サイクルOHC単気筒49cc/最大出力:3.1ps/7500rpm/最大トルク:0.32kgm/6000rpm/変速機:4速リターン/クラッチ形式:マニュアル式/タイヤサイズ:前後3.50-8/発売価格(当時):19万9000円

2003年(平成15年) Z50J-5 リヤキャリアに「U字ロックホルダー」を装備

 盗難抑止用のU字ロック(U字ロックは別売り)が固定できるリヤキャリアを新採用。カラーはイエローにチェンジ。エンジンや足周りに変更はない。

●主要SPEC 
全長:1365mm/全幅:625mm/全高:880mm/乾燥重量:62kg/燃料タンク容量:9L/エンジン形式:空冷4サイクルOHC単気筒49cc/最大出力:3.1ps/7500rpm/最大トルク:0.32kgm/6000rpm/変速機:4速リターン/クラッチ形式:マニュアル式/タイヤサイズ:前後3.50-8/発売価格(当時):19万9000円

2007年(平成19年) Z50J-7 50ccの最終モデル

 50ccエンジンを搭載したゴリラの最終モデル。カラーはブラック。モンキーのようにFI(フューエルインジェクション)化されることなく、キャブレター仕様のまま生産終了となった。

●主要SPEC 
全長:1365mm/全幅:625mm/全高:880mm/乾燥重量:62kg/燃料タンク容量:9L/エンジン形式:空冷4サイクルOHC単気筒49cc/最大出力:3.1ps/7500rpm/最大トルク:0.32kgm/6000rpm/変速機:4速リターン/クラッチ形式:マニュアル式/タイヤサイズ:前後3.50-8/発売価格(当時):21万5250円

ゴリラ(1998年モデル)、試乗インプレッション!

外観は意外なほど大きい!?

 試乗の前に、少し車体を上から眺めてみる。斜め横から、また、真横から眺めた時には、随分と小さく感じられたが、上から見下ろしてみると、あまり小ささは感じられない。

 これは多分、幅広のガソリンタンクとシートのせいだろう。ゴリラのガソリンタンクは寸胴で、シート側の付け根部分までの絞り込みがまったくない。まるで、四角い弁当箱を、デンっと乗っけたような感じ。でも貫禄があって、「これぞゴリラ!」という感じに仕上がっている。

 シートにまたがってみると……。この弁当箱タンクが、とっても二―グリップしやすい。意識しなくても、両ひざに無理なく馴染んでくれる。
 おまけにシートが肉厚でデカいから、横綱級の相撲取り(はキツイか?)や、近所のオバちゃん級の巨大デカケツも余裕なんじゃないかな。

 アップ型のバーハンドルも、ちょうどいい位置にセットされており、身長173cmの筆者にジャストフィットする。

スムーズで扱いやすい、伝統のホンダ横型エンジン

 エンジンはキックスターターで一発始動。始動が容易な12VのCDIマグネット点火を採用しているためか、始動性は良好。アイドリング時の振動もほとんどない。

 シポシポ♪ と控え目なアイドリングの排気音を聞きながら、ギアを1速にシフトして発進。

 実を言うと、ボクはモンキーを含め、ゴリラに乗るのは今日が初めて。スロットルを程よく吹かし、ゆっくりとクラッチをつなぐと……。

 妙なクセなく、スルスルと滑らかに進んでくれる。回転が上昇するにつれ、4ストミニならではのサウンドも高まってきた! これは面白い!

 2速3速へとシフトアップしてゆく。「電気モーターのような」という表現が一時流行ったが、このエンジンはまさにその通り。
 トップギアの4速にシフトしてしばらく流す。すり抜けなどの低速域はもちろん、中速域においても、エンジンはストレスなくスルスルと回り、街乗りレベルではトルクも十分。走っていて、とっても楽しい。
 というのも、ゴリラの足周りは基本的にしっかりしているから、ミニバイクにありがちな路面の凹凸による振動や、ハンドルのブレも、余程の段差を拾わない限り大丈夫。

気になったのは「ブレーキ」と「ミッション」

 ただ、2つだけ気になったことがある。1つめは、ブレーキの効きの甘さ。車間距離を十分とっておかないと、前の車が急なブレーキングを行ったら、テールに「ドカーン」となる可能性大。

 2つめは、1速と2速のギア比。ちなみに1速は3.272、2速は1.937。1速から2速にシフトアップする時、1速で目一杯引っ張って、一気に2速につなげた場合、フロントが浮いてしまう。

 クラッチミートに気を使ってあげたり、上体を伏せてフロント荷重にすれば問題ないんだけど、少しシンドイかも。

 とはいえ、ノンビリ走るにはGOODなゴリラ。大型バイクに乗っていては気付かない風景が、ポンポンと飛び込んでくる。生まれて初めて、モンキー系の4ストミニに乗ったボクには、とっても不思議で魅力的な時間だった。

(モト・チャンプ 1998年5月号より抜粋、一部改訂)

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