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【免許制度のうれしい改正】AT限定・大型二輪免許の排気量上限が650㏄から無制限に!

  • 2019/09/23
  • MotorFan編集部 北 秀昭
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水平対向6気筒1833ccエンジンを搭載した「ホンダ ゴールドウイング ツアー DCT(写真は海外仕様車)」は、電子式7段変速のDCTを採用。クラッチ操作不要なので、2019年(令和元年)12月1日以降、AT限定の大型二輪免許で乗車OKとなる。

【AT(オートマ)限定】の大型二輪免許は、これまで「650㏄まで」という排気量制限があった。しかし2019年の7月22日、警察庁が「AT限定・大型二輪の排気量を、上限だった650ccから無制限にする」とのパブリックコメントを発表。施行日は2019年(令和元年)12月1日。AT限定・大型二輪免許取得者や、クラッチ無しのビッグバイクに興味のある人は注目だ。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

時代のニーズに合わせ、排気量上限=650㏄から無制限に改正。施行日は2019年(令和元年)12月1日

排気量650ccの「スカイウェイブ650」。2005年(平成17年)当時は、オートマチック車の最大排気量モデルだった。
 2005年(平成17年)、ビッグスクーターのラインナップ数増加と人気の向上に伴い、大型二輪免許と普通二輪免許にAT(オートマチック)限定免許が導入された。

 導入当時、国内の市販オートマチックモデルの最大排気量は、「スズキ スカイウェイブ650」の650㏄。それも大きく影響し、AT限定・大型二輪免許で乗車できる排気量は、650㏄までとなった。

 その後、バイクのテクノロジーは飛躍的に進化。2006年(平成18年)に『YCC-S(ヤマハ・チップ・コントロールド・シフト)』を搭載した「ヤマハ FJR1300AS」、2010年(平成22年)には『DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)』を採用した「ホンダ VFR1200F」がリリースされるなど、クラッチ操作を省いた、大排気量の“スクーターではない”スポーツモデルが誕生。

 特に国内二輪メーカーの最大手である、ホンダが手掛けるバイク用の『DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)』は、年々刷新され、扱いやすさや機能が大幅に向上。「VFR1200F」が登場以来、ラインナップ数も増加中だ(下記をチェック!)。

 AT限定・大型二輪免許の排気量の上限である650㏄から、上限無しになった大きな理由は、ホンダの『DCT』を始めとした、“クラッチレスモデル”の大排気量車が増加し、定番となってきたこと。言い換えれば、650ccという中途半端な排気量を上限とすることで、ユーザーもメーカーも、誰も得をしない。つまり、時代のニーズに合わなくなったためだ(二論の場合、現況の原付の50cc規定、最高速度30km/h規制、二段階右折義務等がこれに当たる)。

 なお、排気量の上限撤廃にあたり、試験場の試験車や教習所でのモデルは、700㏄以上を使用することとなる(警察庁のパブリックコメントでは、当分の間、従来の650ccを使用することができる経過措置を設ける、としている)。

警察庁のパブリックコメント(2019年7月22日発表/一部抜粋)

AT限定・大型二輪免許で運転することができる車両の総排気量の上限(0.650リットル)を設けないこととする。また、AT限定・大型二輪免許の試験車両を大型二輪免許の試験車両と同様に総排気量0.700リットル以上とすることとする(府令第24条第6項関係)

改正法附則第1条第2号に掲げる規定の施行の日(改正法の公布の日(令和元年6月5日)から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日(令和元年12月1日を予定))から施行する。

『YCC-S(ヤマハ・チップ・コントロールド・シフト)』の「ヤマハ FJR1300AS」は“シフトペダル”を装着。なぜ“AT限定”でも乗車できる?

“AT限定”という言葉は、「ミッション(ギヤ)操作の有無」のことではなく、「左手でのクラッチレバー操作の有無」を意味するもの。

 従って、左足側にシフトペダルが装着されていても、左手のクラッチレバーのない『YCC-S(ヤマハ・チップ・コントロールド・シフト)』採用の「ヤマハ FJR1300AS」は、AT限定・大型免許で運転できるというわけだ。

「ヤマハ FJR1300AS」に似た例としては、原付2種の人気モデル「ホンダ スーパーカブ110」や「ホンダ スーパーカブC125」がある。

 両モデルは、4速リターン式の変速機構を導入ながらも、クラッチレバーの操作を省いた「自動遠心式クラッチ」を採用。そのため、「ホンダ スーパーカブ110」や「ホンダ スーパーカブC125」は、“左足側にシフトペダル”を装備しているが、AT限定小型免許で運転できる。

 「AT小型限定免許=スクーター専用」というイメージが強いが、実は原付2種の「スーパーカブ110」「スーパーカブC125」「クロスカブ110」等も運転できるのがポイント。これは、AT限定・大型二輪免許にも適用される。

 詳しくは下記をクリック!

■スーパーカブ110やクロスカブ110は4速ミッションなのに、AT免許でも乗れるってなんで?

スーパーカブ伝統のシーソー式シフトベダル&自動遠心式クラッチ。左手でのクラッチ操作がないため、ギヤ付きながらAT小型限定免許でも運転可能。
スーパーカブシリーズは左手のクラッチレバーを省き、乗りやすさを向上。

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