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デカい。なんとも不思議な乗り味が新鮮!|スペインブランドのレオンアート・HERITAGE 125 400ccあるいは750ccか。 いいえ、エンジンは125ccの2気筒です。|レオンアート・HERITAGE 125に街中試乗。

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中国の力帆(Lifan)工場で生産されるスペインブランドの“レオンアート”。知名度は、まだそれほど高くはないが、ピンクナンバーの原2バイクとは思えない、堂々と立派なフォルムを誇る事で話題を集めている。輸入販売を手がけるウイングフット株式会社で準備された広報車に試乗した。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ウイングフット株式会社

マットシルバー

レオンアート・HERITAGE 125.......418,000円

マットブラック

 これまでにもエンジン(排気量)の割に大きな車体を組み合わせたモデルはいくつか例があるが、今回のレオンアート程そのギャップの大きさに驚かされるバイクは他にないだろう。
 国産車で例えるなら、1994年6月にデビューしたホンダV-ツインマグナ(250cc )を思い出す。クラスを超えた大胆なロングフォルムとシート位置の低い乗り味が印象的だった。ちなみに当時の価格は税別で539,000 円だったから、税込み10%で計算すると592,900 円。四半世紀前の話である。
 今回のヘリテージは125ccとは言え、ナントその価格は税込みで418,000円。同じ125ccカテゴリーのホンダ・CT125ハンターカブ(440,000 円)より安いとなると、ジャンルは違えども興味が湧いてくるのではないだろうか。
 パワーユニットは水冷並列ツインのブラックエンジンを搭載。寝かされたフロントフォークを始めフロントに18、リヤに15インチのキャストホイールを採用したロングフォルムは、どこかハーレーダビッドソンのストリート750やストリートロッドにも似た雰囲気があり、車体サイズもそれに迫る長さがある。
 流石に車両重量は150kg だが大きなクレードルを形成するスチールフレームやシンプルにデザインされたフロントマスクとリヤビューが、自由気ままな走りを楽しむオーナーの琴線を刺激してくれそう。
 ステアリングヘッドパイプ右脇のフレーム部分に直付けされたイグニッションスイッチは、管キーを使う事も含めてハーレーダビッドソンと同様な部品が採用されている。
 搭載エンジンこそVツインではないが、各部のデザインセンスからは、どこかハーレーダビッドソン・ブランドへのオマージュが漂うモデルである。

ハーレーの883を思い出す!? そんな気分になれた。

 事前情報も何も知らぬ“無”の状態で試乗車を受け取ったなら、400ccあるいは750ccと言われても疑いようのないスケール感に驚かされる。取り回す手応えもズッシリと上級イメージ。少なくともにわかには125ccのバイクであるとは思えない。それほどにヘリテージ125のフォルムは立派である。
 ライディングポジションもまたしかり。シートはそれほど低くはなく、腰を落とし込む感じではなかったが、足つき性は楽で安心感を覚える。ハンドルやステップ位置が若干遠目にあり、ゆったり感のある乗り味。堂々と大きな車体をひとりで占有する雰囲気と共に、ハンドル回りのシンプルなデザインとが相まって、自然と街の景色が目に入ってくる気持ち良さがある。
 ステップ位置はやや高く前方にあるので、膝位置よりも踝が前方に出る。試乗車はその割にシーソー式シフトアームが水平にレイアウトされていたので、操作ストロークの大きめなギヤシフトがやや踏み込み辛かったが、これは調整しだいで直ぐに解決できる話だ。
 ただ前側ペダルと後側ペダルの支点からのアーム長が異なる関係で、アームが長いリヤのシフトペダルを踵で踏む時(シフトアップ操作ができる)、長すぎる操作ストロークには少々違和感を覚えた。
 ただ、そんなシフト操作で感じられる悠長なリズム感に関しては、決してストレス要因にならないから不思議である。
 125cc 2気筒エンジンのパフォーマンスは、その出力特性も含めて大人しい。穏やかで柔軟性のある点は侮れないが、吹け上がりが緩慢なので、伸びを待ってシフトアップする。それなりに重量感のある乗り味と、さらには全体の雰囲気がマッチして、そのゆったりと先を急がないリズム感とシフト具合とが上手くマッチしてくれるからだ。
 ちなみにアイドリングは1,500rpm。ツインエンジンは決してパワフルではないが、交通の流れにシンクロして行くのに不足は無い。有効なトルクバンドは4,000~8,000rpm。回し通せば9,500rpmまでは伸びてくれる。ローギヤで5,000rpm回した時の速度は17km/h。5速トップギヤで50km/hクルージング時のエンジン回転数は4,700rpmだった。
 前後サスペンションは少し硬めなセッティグでダンパーの効きが弱め。路面の衝撃に対してゴツゴツと硬い乗り心地だが、常用速度が低いのでそれほど気にはならないだろう。
 直進安定性は高く、夕景を求めて遠くない郊外散策に出掛けるのにちょうど良い雰囲気。U ターンやコーナリングも落ち着きがあり、楽に扱えるものだった。
 装備や各部の仕上がり具合は、決して上質ではないが、お値段を考えればそれも納得。むしろ希少性のあるブランドは注目を集めるし、個性的なキャラクターはオーナーのこだわりが表現できるだろう。
 車体サイズに対して非力なエンジンとの組み合わせは意外とすんなりと慣れる。市街地専用のクルーザーと割り切れば、これもまた満足度も結構高いかもしれないと思えたのである。

足つき性チェック(身長168cm)

シート高は785mm。ご覧の通り膝にゆとりを持って両足はベッタリと地面を捉える事ができる。前方寄りにあるステップはそれほど遠くないが、意外と高い位置にあり、腿は地面に対してほぼ水平になる。

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