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新エンジン&新フレームもスゴイけど! いろいろ追加された機能もイイ!|ヤマハNMAX ABS試乗

  • 2021/07/09
  • MotorFan編集部 栗栖国安
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通勤から休日のショートツーリングまで生活密着で大活躍してくれる原付2種スクーターは引っ張りだこの存在です。それだけに各メーカーとも力を入れて開発していますが、そんな激戦区にヤマハは、NMAX ABSをモデルチェンジして6月28日に発売を開始しました。どのように進化したのでしょうか。

PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ヤマハNMAX ABS ……368,500円

所有感を満たしてくれる上質な外観と洗練されたスタイリング

 ヤマハの現行原付2種スクーターは、アクシスZ、シグナスX、NMAX、それに3輪のトリシティ125というラインナップになっています。かなり充実していますね。そうした中でNMAXの立ち位置はというと、最上級スクーターということになると思います。そういう意味では、ホンダPCXといいライバル関係にあるモデルということができます。そのNMAXがモデルチェンジしました。
 基本的なスタイリングデザインは従来型を踏襲していますが、一段と洗練されて高級感も高まったように感じます。MAXシリーズの特徴でもあるブーメランをモチーフにしたサイドカバーもボディに見事に融合していてスタイリッシュさも併せ持っています。

 骨格であるバックボーンフレームは、さらなる高剛性化を図って、φ60.5mmのメインパイプにφ45mmのダウンチューブとした新設計フレームが投入されました。これによってスポーティで軽快なハンドリングと扱いやすく安定性の高い走行性を実現しているということです。

 エンジンも新設計となりました。優れた出力特性とトルク特性を実現し、全域にパワフルで扱いやすい“BLUE CORE” 水冷4ストSOHC4バルブ単気筒エンジンを採用しました。またこのエンジンには VVA(可変バルブ)機構が採用されていて、優れた加速性能を発揮するものとしています。このように動力性能が高いだけでなく、燃費、環境性能も高いのがBLUE COREエンジンの特徴です。

 この新設計エンジンには「Smart Motor Generator system」も導入されました。これによりセルスターターのような始動時のキュルキュル音はなくなり、一段とスマートになりました。またアイドリングストップ機構も採用されていて、当然のことながら再始動時にもキュルキュル音はなく、アクセルを開ければ何事もなかったかのようにスタートできます。さらに、前後独立のABSに加えて、トラクションコントロールまでも装備しています。走行性はもちろん、快適性、安全性に至るまで、まさに至れり尽くせりといった印象です。

YAMAHA Motorcycle Connect(Y-Connect)によってスマートフォンとNMAXがつながる

 モデルチェンジでさらに進化したNMAXですが、実はもうひとつ、話題となっている新システムが採用されました。Y-Connectと呼ばれる専用アプリをスマートフォンにインストールすると、NMAXに搭載されているCCU(Communication Control Unit)と連携し、さまざまな情報をメーターに表示したり、スマートフォンに車体情報を表示するなどできるのです。ヤマハの国内モデルに初採用のシステムなのですが、いかにも現代的で高い付加価値があると思いました。

 具体的にどのような表示機能があるのか簡単に記してみます。
 スマートフォンの画面を「Revs Dashboard」として利用することが可能になります。スロットル開度、エンジン回転数、加速度、エコ運転状況を表示することができるのです。
 走行距離、経過日に基づいて、エンジンオイルの交換タイミングを知らせてくれます。またバッテリーコンディションも表示します。
 燃費を日別、月別に確認することが可能です。自分のライディングをデータとして客観的に確認できるというわけです。

 車両から問題や故障を検出した場合、スマートフォン画面に情報を表示します。問題や故障を検出した時間、位置などを事前に指定したメールアドレスに自動で送信できます。
 広い駐輪場や、出先で駐車場所が分からなくなった時などに、最終駐車位置を確認できます。位置情報を表示してくれるわけです。
 さらに、専用アプリY-Connectによってスマートフォンとメーターが連携します。SNS通知、通話着信など、多彩な情報をメーター内にアイコンで表示してくれます。また、メーター内の時計の自動調整機能も備えているので、連携さえさせれば時計をいちいち調整しなくてすむというわけです。

 これらの機能を使いこなせるようになれば、走る、移動するという基本的な行動に、楽しさ、面白さ、そして快適性がプラスされると思います。日常での利便性が高まるのはもちろん、ツーリングではさらに便利で、さまざまな状況に際し役立ってくれることまちがいありません。
 次回はいよいよロードインプレッションをお届けします。

優れたエンジン特性と環境性能を両立させた新設計のBLUE COREエンジンを搭載。可変バルブ機構VVAの採用で、低回転から高回転まで扱いやすく力強い走りを実現させた
軽量化を図ったニューデザインのアルミキャストホイールに110/70-13タイヤを装着。ブレーキはΦ230㎜ローター採用のシングルディスク。ABSは標準装備だ
リアタイヤには130/70-13サイズを装着。ブレーキはフロント同様のΦ230㎜ローター・シングルディスクだ。ABSは前後独立タイプとなっている
個性的な表情を作り出すヘッドライトは2眼6灯LEDヘッドランプを採用。ロービームで上側4灯、ハイビームで下側2灯が点灯する。ウインドスクリーン形状も変更された
視認性を考慮したリアのコンビネーションテールランプ。LED採用のテール/ストップランプに加え、下部にはLED導光帯をあしらいアクセントとしている
スイッチ類は操作しやすい配列となっている
上から順に、アイドリングストップON/OFF、ハザード、スターターが並ぶ
メーターは情報量豊かな液晶ディスプレイ。Y-Connectと連携させると、メーターの表示機能が拡充する
イグニッションは盗難抑止効果の高いスマートキーシステムを採用。ハンドルロック解除、シートロック解除、フューエルリッドのロック解除も可能だ
左側のフロントトランクは600mlペットボトルが収納可能。また12VのDCソケットが装備してあり、スマートフォンの電源として活用できる
右のフロントトランクは、リッド付きの収納ボックスになっている。有料道路の通行券などを入れるのに重宝する
ハンドルカバーのセンター部をアクセサリーパーツのユニバーサルステー(6820円)に換装すれば、スマートフォンなどが装着できる
ユニバーサルステーに実際にスマートフォン用マウントを取り付け、スマートフォンを装備してみた。Y-Connectと連携させれば、情報満載のコクピットに変身
メイン画面では、走行距離、経過日に基づいて、エンジンオイル交換のタイミングを知らせる。またバッテリーコンディションも表示する
エンジン回転を確認するタコメーター表示は、バーグラフ形式にもできる。他にも水温状態なども表示する
車両のディスプレイにはタコメーター表示はないが、Y-Connectと連携させればスマートフォン画面をRevs Dashboardとして利用可能。スロットル開度、エンジン回転数、加速度、エコ運転状況を表示する
燃費を日別、月別、年間にチェック可能。自分のライディングをデータとして客観的に確認することで、低燃費運転を心がけることができる
最後に止めた位置を地図画面に表示できる。ナビの補助としても利用できる
走行距離やエコ運転の状態をランキングとして表示できる。ゲーム感覚で楽しんでエコ意識を高めることができる

主要諸元

認定型式/原動機打刻型式:8BJ-SEG6J/E32TE
全長/全幅/全高:1,935mm/740mm/1,160mm
シート高:765mm
軸間距離:1,340mm
最低地上高:135mm
車両重量:131kg
燃料消費率(*1):国土交通省届出値
定地燃費値(*2):48.7km/L(60km/h)2名乗車時
WMTCモード値(*3):46.9km/L(クラス1)1名乗車時
原動機種類:水冷・4ストローク・SOHC・4バルブ
気筒数配列:単気筒
総排気量:124㎤
内径×行程:52.0mm×58.7mm
圧縮比:11.2:1
最高出力:9.0kW(12PS)/8,000r/min
最大トルク:11N・m(1.1kgf・m)/6,000r/min
始動方式:セルフ式
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量:1.00L
燃料タンク容量:7.1L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式:TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V, 6.0Ah(10HR)/YTZ7V
1次減速比/2次減速比:1.000/10.208(56/16×35/12)
クラッチ形式:乾式,遠心,シュー
変速装置/変速方式:Vベルト式無段変速/オートマチック
変速比:
2.386〜0.748/無段変速
フレーム形式:バックボーン
キャスター/トレール:26°30′/100mm
タイヤサイズ:(前/後)110/70-13M/C 48P(チューブレス)/130/70-13M/C 63P(チューブレス)
制動装置形式:(前/後)油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/ユニットスイング
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:LED
乗車定員:2名

NMAX情報、コチラでも徹底解説しています!

モトチャンプ 2021年 8月号

巻頭特集
【新型 NMAXのすべて】

「走り」「機能」「デザイン」全方位の進化を大解剖
前後ABS搭載 スマホともリンク!
ライバルPCX&先代モデル比較試乗
細部のこだわりを開発陣に直撃
先代との違いを全パラ検証

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