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国内仕様に初試乗! コーナー立ち上がりはライバル以上の俊敏さ!! 「たった」24psなのに、スズキGSX250Rの走りが侮れない理由とは?

  • 2017/05/10
  • モト・チャンプ編集部
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スズキGSX250Rの価格は52万7040円。写真のカラーは「クリスタルブルーメタリック/パールグレッシャーホワイト」。PHOTO:渡辺昌彦

4月17日に発売されたスズキの250ccスポーツモデル、GSX250R。スタイリッシュにまとめられたカウルの内側には、並列2気筒エンジンを搭載するが、その最高出力は24psと控えめ。ライバルであるヤマハYZF-R25が36ps、カワサキ・ニンジャ250が31psというのを見ると分が悪いように思えるが、その走りは意外にもライバルを凌駕するものだった!

カワサキ・ニンジャ250、ヤマハYZF-R25、ホンダCBR250Rといったモデルがしのぎを削っていた250ccスポーツ。そこにスズキが送り込んだ刺客が、GSX250Rである。その魅力は、まずデザイン。開発者いわく、「一目見て、めちゃくちゃカッコイイ!と思ってもらえるように、スタイリングは開発の最優先項目でした」とのこと。続いては、価格。車両本体価格では50万円を切っており、税込でも52万7040円というお値段は、破格といっていいものだ。

で、気になるのはその走り。並列2気筒エンジンの最高出力は24ps。ヤマハYZF-R25が36ps、カワサキ・ニンジャ250が31psだから、走りに期待はできないのかと思ったが、そうではないようだ。試乗したケニー佐川さん(二輪ジャーナリスト)の感想を聞いてみよう。

PHOTO:星野耕作

「低中速のトルクが非常に厚いですね。瞬発力があって、スペック以上の速さを感じます。ヘアピンなどの立ち上がりで、スピードに乗るのが早いんです。最高出力の数字はもっと上のマシンに対しても、遜色なく走れる。もっと言っちゃうと、今日試乗したショートトラックのような場所だと、それに勝っている、スペック以上の速さを見せつけてくれましたね。また、エンジンが非常にシルキーで扱いやすいのも好印象です」

この「低中速域ではライバル以上の速さ」という印象は、じつは数字にも裏付けられている。スズキ社内のテストによると、「8000rpmまで(3速70km/hくらいまでの領域)は、後輪軸出力を測ると、ライバルを上回っている」のだとか。開発時に「馬力を上げるか、トルクを上げるか」という議論があったが、あえて最高出力の数字にはこだわらず、トルクを上げる方を選んだという。「扱いやすさこそが楽しさにつながる」という狙いである。

今回はごく限られた場所での試乗だったため、GSX250Rの良さが際立ったわけだが、サーキットでレーシングライダーがラップタイムを競うならば、最高出力で勝るライバルの方が有利なのは間違いない。とかく我々メディアはそちらに気を取られてしまいがちだが、0.1秒早い遅いを競うばかりがバイクではない。むしろ大多数のライダーは、一般道で気軽にライディングを楽しみたい、という方が多いはず。GSX250Rは単なるニューモデルにとどまらず、スペック至上主義に陥りがちなバイク業界へ一石を投じる意味合いもあるのかもしれない。

写真のカラーは「キャンディカーディナルレッド/パールネブラーブラック」。ヨシムラカラーっぽい雰囲気がカッコイイ。
もう一色は「パールネブラーブラック」。乗り手を選ばない、オールマイティなカラーだ。

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