抜け目ない進化を遂げたランドローバー・レンジローバー・イヴォーク 二代目イヴォークのどこがすばらしいかを考察する
- 2019/09/16
- GENROQ編集部
コンセプトカーそのままのデザインで登場し、人々の度肝を抜いたイヴォーク。2代目となる新型はさらなる高みを目指して、新型プラットフォームPTAを採用し、自慢の悪路走破性と、スタイリッシュなデザインをさらに進化させていた。
REPORT◉石川亮平(Ryohei Ishikawa)
PHOTO◉神村 聖(Satoshi Kamimura)
※本記事は『GENROQ』2019年9月号の記事を再編集・再構成したものです。
そのデビューは衝撃的であった。なぜなら2008年のデトロイト・モーターショーで披露されたLRXコンセプトが、ほぼそのままの姿で11年に発売されたのだから……。クーペスタイルのシルエットを採り入れた見たこともないデザインコンシャスなSUV。イヴォークの登場によりプレミアム・コンパクトSUVという新たなカテゴリーが創造され、登場以来、世界中で累計80万台以上を販売するヒットモデルへと成長した。そのエポックメイキングなSUVはレンジローバーファミリーの一員として最早欠かせないモデルとなっていったのだ。
2代目へと進化を遂げたイヴォークは、基本的には初代のデザインを踏襲したように見える。だが、プラットフォームは電動化を見据えた最新のPTA(プレミアム・トランスバース・アーキテクチャー)を採用し、ボディの99%は新設計となった。またドアパネルに格納されるドアハンドルや超薄型マトリックスLEDヘッドライトを採用し、ランドローバーがヴェラールより提唱する新デザイン意匠の「リダクショニズム(還元主義)」が新型イヴォークにも落とし込まれている。
一方、インテリアにはデンマークのクヴァドラ社の上品なテキスタイルを用いたほか、使い勝手の良い2つの10インチ高解像度タッチスクリーンのインフォテインメントシステム「タッチ・プロ・デュオ」が華やかでプレミアムな室内の印象にひと役買っている。
搭載されるエンジンはお馴染みのインジニウム2.0ℓ直4ディーゼルと出力違いの直4ターボ、そして48Vのベルト駆動スタータージェネレーターを組み合わせたMHEVを設定する。先月号でMHEVの試乗記をお届けしたので、今回は最高出力249㎰の2.0ℓ直4ターボを搭載する20年モデル限定グレード「ファーストエディション」を紹介しよう。
主にワインディングがメインの試乗となったが、まずそのハンドリングに驚いた。意外なことに実にクイックでレスポンスが良いのだ。少し舵を与えるだけで、機敏にノーズが反応して、コーナーを駆け抜ける。この感覚、なにか覚えがあるぞと思ったら、そうだジャガーEペイスに近い。足まわりもやや硬めの設定だが、路面の凹凸を一発で吸収するので快適だ。わずか1500rpmから最大トルク365Nmを発生するトルキーなエンジンと9速ATのマッチングも良く、まるでスポーツカーに乗っているかのような感覚でワインディングを楽しめる。唯一残念だったのは試乗車が21インチの大径タイヤを履いていたこと。これが20インチや19インチであればレンジローバーらしい、おおらかな乗り味を楽しめたのかもしれない。とはいえ、その完成度の高さは流石であった。
SPECIFICATIONS
レンジローバー・イヴォーク ファーストエディション(P250)
■ボディサイズ:全長4380×全幅1905×全高1605㎜
ホイールベース:2680㎜ ■車両重量:1840㎏ ■エ
ンジン:直列4気筒DOHCターボ 総排気量:1995㏄
最高出力:183kW(249㎰)/5500rpm 最大トルク:
365Nm(37.2㎏m)/1500~4500rpm ■トランスミッシ
ョン:9速AT ■駆動方式:AWD ■サスペンション形
式:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡマルチリンク ■
ブレーキ:Ⓕ&Ⓡベンチレーテッドディスク ■タイ
ヤサイズ:Ⓕ&Ⓡ245/45R21 ■環境性能(WLTCモー
ド) 燃料消費率:8.9㎞/ℓ ■車両本体価格:799万円
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