2025年には自動運転技術と融合し、好みの時間・洗い方で洗車できるようになる!? 【オートサービスショー2017】バンザイ&ダイフクプラスモア・洗車機のIOT
- 2017/06/12
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遠藤正賢
ディーラーやカー用品店のピット、整備工場、鈑金塗装工場などで使われるクルマの整備・修理用ツール・機器類の展示会「オートサービスショー2017」が6月1~3日の3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された。
「オートサービスショー」は、日本自動車機械工具協会という、自動車整備・修理用ツール・機器類(自動車機械工具)の商社を中心にメーカーなども会員となっている業界団体が主催しており、1948年の第1回よりほぼ2年に1度、今回を含めて通算35回開催されている、自動車アフターマーケット業者向けの展示会。その中から、ユーザーがクルマのメンテナンスを受ける際に役立つ最先端の整備機器をピックアップする。
自動車機械工具四大商社のひとつであるバンザイ(柳田昌宏社長、本社:東京都港区)は、門型洗車機ラインアップのひとつとして、ダイフクプラスモア(井狩彰社長、本社:東京都港区)の製品を取り扱っている。その両社が今回のオートサービスショー2017で提案していたのは、「洗車機のIOT構想」だ。その概要は下記の通り。
【レベル1(2018年頃)遠隔監視】
・各店舗で門型洗車機が使用された回数や洗車コースをPC上で確認・集計できる
・門型洗車機が緊急停止すると、即座にメーカーへ異常コードが発信される
・異常コードやデータをもとに、サービススタッフが故障した可能性の高い部品を持って修理へ向かう
【レベル2(2020年頃)遠隔操作】
・門型洗車機の制御プログラムを自動更新
・使用状況から点検案内を配信、表示
・異常発生時はサポートセンターから遠隔操作し復旧
【レベル3(2025年頃)自動運転技術との融合】
・スマートフォンなどで車両に洗車を指示し、自動運転で指定の門型洗車機へ移動
・門型洗車機と車両が連動し、その車両に合わせた洗車を自動で行う
ダイフクプラスモアCA推進部の三沢直久係長によれば、レベル1は「すでにフィールドテストを実施中です」とのこと。レベル2も、課題はハッキングによる遠隔操作乗っ取りを確実に防ぐセキュリティの確立くらいだろう。
また、レベル2までは、当事者がバンザイ&ダイフクプラスモアと納入先に限られ、サービス内容も洗車機のメンテナンスに留まるため、実現は決して難しくないはずだ。
だがレベル3は、当事者に自動車ユーザーとそのクルマが加わり、さらに自動運転の車車間・路車間通信プロトコルとも連携させる必要があるため、技術・認可の双方において実現のハードルは高い。また、門型洗車機にクルマをセットする際は本体やセンサー、レールなどに当たらないようクルマを動かす必要があるため、自動運転そのものに対しても一般道対応以上の精度が要求される。
「現時点では構想の詳細を詰めている段階」(三沢係長)というが、これが実現されれば、ちょっとの汚れや洗車傷も気になる自動車ユーザーでも、キレイにしたい時に自動運転でいつでも自由に、かつ極力傷がつきにくい方法で、場合によってはコーティングの施工やメンテナンスもしながら、門型洗車機を利用して洗車できるようになる。
また、自動車ユーザーにとっての「洗車」の概念が大きく変わり、オープンカーやトラックを除き、手作業での洗車やコーティングが過去のものとなる可能性も秘めている。
風やホコリが入らない屋内にクルマを保管でき、かつ自宅でいつでも自由に洗車できる環境を持つ自動車ユーザーは少ない。自動運転と門型洗車機で誰もが気兼ねなく、クルマを常にキレイな状態に保てるという、現時点では夢物語のようなサービスが、果たして2025年に実現されるだろうか?
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