ファインメットを使用した高インピーダンスコモンモードチョークコイル・コア「FT-3K10Q」 日立金属、ナノ結晶軟質磁性材料を使用したコモンモードチョークコイル・コア「FT-3K10Q」シリーズを開発
- 2017/10/16
- Motor Fan illustrated編集部
日立金属株式会社は、ナノ結晶軟磁性材料ファインメットを使用した、高インピーダンス1かつ、高温特性に優れる、コモンモードチョークコイル・コア「FT-3K10Q」シリーズを開発した。ハイブリッド車(HEV)、PHEV、EVなど次世代自動車に使用される電子機器のノイズフィルターにおいて、さらなる小型軽量化、高信頼性化を実現する。
1.背景
日立金属は、自動車用電装部品をはじめとするさまざまな電子回路に搭載される軟質磁性材料のひとつとして、ナノ結晶軟磁性材料ファインメットを製造・販売している。磁心(コア)材料として安定した品質が高く評価されており、多くの顧客に採用されている。
近年、自動車の電動化が進展するとともに、搭載される電子機器の高効率化と高信頼性への要求が高まっており、高密度に搭載される各電子部品は、さらなる小型軽量化および広い温度範囲での性能や信頼性の向上が求められている。
2.概要
今回、日立金属がナノ結晶軟磁性材料ファインメットを使用し、新たに開発したコモンモードチョークコイル・コア「FT-3K10Q」シリーズは、日立金属独自の技術により、kHz~MHz の幅広い周波数領域で、高いインピーダンスを実現(従来材「FT-3K50T」インピーダンス対比、100kHz で約30%、1MHzで約10%)し、ノイズを効果的に抑制する。
また、低温から高温までインピーダンスの変動が小さいため、広い温度環境下で、車載電装品の安定化を図ることが可能だ。本製品の使用により、車載充電器などの電源部品に使用されるノイズフィルターの高信頼性化、小型軽量化が可能となる。
■「FT-3K10Q」シリーズの特長
(日立金属 従来品「FT-3K50T」比較)
(1)幅広い周波数領域で、インピーダンスを改善(100kHz で約30% 1MHz で約10%)
(2)広範な温度帯での安定したインピーダンス特性(変化率12% (-40~+150°C))
3.生産状況
サンプル供給開始:2018年1月、量産開始:2018年4月
4.製造拠点
Hitachi Metals(Thailand) Ltd.
5.用途
車載用ノイズフィルター
6. 特許
基本特許取得済み
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