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パチンコ玉とは精度が桁違い! クルマ1台あたりに使われているベアリングの数は何個?

  • 2019/02/14
  • Motor Fan illustrated編集部
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ボールベアリング用鋼球を研磨盤でグラインディングした後、最終磨き工程でラッピングをしている段階の写真。

2月15日(金)発売のモーターファン・イラストレーテッドVol.149の巻頭特集は「低フリクション」です。

ここ最近の新車発表の資料には必ずと言っていいほど、「フリクションロスを低減した」と書いてあります。自動車は、フリクション=摩擦があるから動くのですが、フリクションロスは邪魔者なんですよね。
いまや厳しくなる環境規制に対応するための自動車の進化には、あらゆる部分のフリクションロスの低減が必須なのです。ドラスティックに効率を向上させる技術はそうありません。
 重箱の隅をつつくような企画ですが、対策はディテールへと進んでいるのです。今回は、低フリクション技術の最先端を紹介いたします。

 正解は、転がり軸受に限定すると1台あたり100個程度です(すべり軸受を除く)。すべり軸受まで入れると数えきれません。正直、地味なパーツですし、小さいのでひとつだけをクローズアップすると、前述のように重箱の隅をつつくような技術と思いがちですが、これが100個ともなると、その効果は大きいのです。近年、自動車サプライヤーによる技術の積み重ねにより、低フリクション化の技術進化は著しく、従来と比べて50%、80%低減、というのも珍しくありません。


 フリクション対策といえばベアリング(軸受)、そのなかでも、もっとも多用されるのがボールベアリングですが、中に入っている鋼球をどうやって製造しているかご存知でしょうか? MFi編集部・松井もじつは知らなかったので、今号の特集取材のために鋼球の世界的トップメーカー、大阪の天辻鋼球製作所に行っていまいりました。

 ボールベアリング内部の鋼球は、サブミクロンメーターでの寸法精度はもちろん、表面の柔らかさや振動特性に至るまで高い性能が要求されます。実際の製造ラインも見学させていただいたのですが、使用する機械などは企業秘密の塊なので残念ながら撮影許可が出たのはほんの一部。誌面ではイラストを使って解説しておりますので、ぜひご覧ください。

 工場内部入り口からの全景。コイル状になっているのが素材で、ここからボール作りの工程が始まる。さまざまなサイズの鋼球を同時生産する。鋼球の原材料の鋼は線材で鉄鋼メーカーから供給され、カットされた後にプレス加工機で圧縮されて球体になります。


 その球体に長い時間をかけて加工を施すことで、より真球に近い精度と滑らかな表面に。「丸くて硬くて丈夫」であることが低フリクションに貢献。


 ちなみに「パチンコ玉みたいですね」というのは禁句! マイクロメーター単位で両者を比較するとサイズの精度がまったく違うのです。
 今回の表紙は、天辻鋼球製作所で撮影したボールベアリングの写真なのです!
(決してパチンコ玉ではありません。くどいですが……)


 興味津々の製造現場の取材が終わった後に、帽子と白衣を着たまま天辻鋼球製作所(略称AKS)の本社にあるモニュメント前で記念撮影。

モーターファンイラストレーテッド Vol.149 「フリクション」特集

自動車は、フリクション=摩擦があるから動く。
しかし新車発表の資料には必ずと言っていいほど「フリクションロスを低減した」と書いてある。
そう、フリクションロスは邪魔者なんだ。
いまや厳しくなる環境規制に対応するための自動車の進化には、
あらゆる部分のフリクションロスの低減が必須である。
ドラスティックに効率を向上させる技術はそうない。
対策はよりディテールへ、より繊細な世界へと進んでいく。
今回は、ボールベアリング(軸受)やコーティング&表面処理の
低フリクション技術の最先端を紹介する。

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