ミシュラン:乗用車向けエアレスタイヤを2024年に一般市場に投入
- 2019/06/14
- Motor Fan illustrated編集部
ミシュランとゼネラルモーターズは、世界の持続可能なモビリティを目指す「Movin’On 2019 サミット」において、乗用車向けの新世代エアレスホイールテクノロジー『ミシュラン アプティス・プロトタイプ』を発表した。これは、2017年に発表したVisionコンセプト*の実用化への第一歩であり、持続可能なモビリティ社会への貢献というミシュランの使命を具現化するもの。
ミシュランとGMは、アプティス・プロトタイプを共同研究開発し、早ければ2024年に乗用車向けモデルを発売する予定。両社はまず「シボレー・ボルト EV」などの実験車両にアプティスを装着し、実証実験を行う。
アプティス:UPTISは、Unique Puncture-proof Tire Systemの頭字語。Visionコンセプトのひとつであるエアレスタイヤを実現し、画期的な構造や複合材料およびホイールアセンブリーにより、タイヤのパンクや破裂などの運転上の大きなリスクを取り除くことができる。
現在、世界中で毎年約2億本のタイヤがパンク、路上の障害物による損傷、偏摩耗を引き起こす不適正な空気圧などにより、寿命よりも早い段階で廃棄されているといわれている。アプティス・プロトタイプは、早期のタイヤ廃棄を防ぐことで、環境保全に貢献する。
『アプティス・プロトタイプ』の主な特徴とメリット
✓ タイヤがパンクしないことによる安心感
✓ 車両のダウンタイム最小化、メンテナンス負荷軽減、車両の稼働率向上
✓ 交換用タイヤやスペアタイヤ製造のための原材料削減による環境保全効果
ミシュラングループ CEO フロラン・メネゴー氏は以下のように述べている。「アプティス・プロトタイプは、持続可能なモビリティの未来に貢献するミシュランのビジョンが実現可能な夢であることを示しています。モビリティの変革という大きな目標を共有できるGMのような戦略的パートナーと連携することにより、ミシュランは未来をつかみ取ることができるのです」
ゼネラルモーターズのグローバル・パーチェシング・アンド・サプライチェーン担当シニアバイスプレジデント スティーブ・キーファー氏は以下のように述べている。「ゼネラルモーターズはアプティスが持つ可能性に大いに期待し、この画期的なテクノロジーに関してミシュランと提携することを嬉しく思っています。アプティス・プロトタイプは自動車産業の未来を示すプロダクトであり、当社がパートナーとして提携し、変革を遂げることが当社の顧客に利益をもたらすものであると信じています」
ミシュラングループ研究開発部門 執行副社⻑ エリック・ヴィネス氏は以下のように述べている。「アプティス・プロトタイプは、イノベーションに取り組むミシュランの技術力を実証する製品です。蓄積したハイテク素材のノウハウやGMとの緊密な提携によってVISIONコンセプトの製品開発イノベーションは進んでいきます。世界のすべての人々のために、より優れた持続可能なモビリティ社会の実現に向けてミシュランはコミットを続けます」
私たちの未来のクルマには、業務用も含めて自動運転、完全電動化、シェアリング、その他どのような用途であれ、車両の稼働効率を最大限に高めるためメンテナンスゼロ(もしくはほとんど必要としない)タイヤが求められる。『アプティス・プロトタイプ』は、未来の乗用車に合わせて設計され、すでに登場している新たな形態のモビリティにも十分に対応していく。
*VISIONコンセプト
持続可能なモビリティを具現化するため、ミシュランの経営・開発戦略として、Movin’On 2017 サミットで発表された。VISIONコンセプトのイノベーションの4つの大きな柱は、1) エアレス、2) コネクテッド、3) 3Dプリンティングの活用、4) 100%の持続可能原料の使用(すべて再利用できることまた は生体材料を使っていること)であり、この4つを最終的に実現す ることを目指している。
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