一体成形が可能で熱処理も不要、軽量高剛性化による変速スピード短縮に貢献 新型ホンダNSXのシフトフォークに採用された鋳放し高強度球状黒鉛鋳鉄「H-FCD800」…JFEスチール/JFE継手【第10回高機能素材Week】
- 2019/12/17
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遠藤正賢
幕張メッセで12月4~6日に開催された、業界関係者を対象とする材料・加工機械の総合展示会「第10回高機能素材Week」(注:業界関係者向け商談展のため一般および18歳未満の入場不可)。
同展示会は「第10回高機能フィルム展」「第8回高機能プラスチック展」「第6回高機能金属展」「第4回高機能セラミックス展」「第3回接着・接合EXPO」「第2回高機能塗料展」「第29回液晶・有機EL・センサ技術展」「Photonix2019」の8種類で構成されている。
このうち「第6回高機能金属展」には、鉄鋼メーカー大手のJFEスチールが出展。子会社のJFE継手が取り扱う、鋳放し高強度球状黒鉛鋳鉄「H-FCD800」の採用例として、新型ホンダNSXの9速DCTに用いられているシフトフォークを展示した。
PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
開発当初は、鈑金後に熱処理された鋼材をフォーク部と摺動部に用い、これらを軸に溶接する方向で検討していたが、黒鉛がより真円に近く微細で、面積あたり含有量も多い鋳鉄「H-FCD800」を用いることで、一体成形を可能にしつつ形状自由度をアップ。
高い剛性・強度が必要な部位は肉厚にし、そうではない部位は薄い形状にすることで小型軽量化。素早い変速を可能にしている。
なお、この「H-FCD800」は、既存のダクタイル鋳鉄と比較しても、ひずみが少なく研削加工が不要で、引っ張り強度も従来の800MPaから、熱処理なしで800MPaへと高められるため、軽量化とリードタイム短縮、トータルコストの削減に寄与するという。
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