ams:高速モーター向け新型ポジションセンサが自動車業界の電動化を促進
- 2020/06/12
- Motor Fan illustrated編集部
amsの日本法人amsジャパンは6月11日、パワーステアリング、アクティブダンパー制御、ブレーキなど車両の安全性に不可欠な機能の電動化を促進し、低コストに抑える新たなポジションセンサを発表した。より安全、よりスマート、より環境に配慮した自動車を目指す。
2種類の新型ポジションセンサは、自動車業界へ新たな可能性とコスト低減のメリットを提供する。ams のAS5147Uは、最大28000rpmの速度で動作するモーターで使用可能な、インテリジェントな磁気ロータリーポジションセンサチップ。新しいAS5247Uはデュアルスタックダイバージョンで提供され、最も高度なASIL-Dクラスの機能安全アプリケーションに要求される冗長性を備えている。
これら新製品は、より安全、よりスマート、より環境に配慮した自動車を目指す自動車業界の動きに対応している。
・高速モーターをより効率的に動作させる。センサは新型のDFS(ダイナミックフィルターシステム)技術を搭載し、回転速度での位置測定を高精度かつ低ノイズで実現する。センサのDAEC(ダイナミックアングルエラー補正)技術により高速時でも遅延はほぼゼロとなるため、非常に精度の高いリアルタイムのアングル測定を行える。この2つの技術はams独自の組み合わせ。
・総合的な自己診断機能を内蔵することで、ISO 26262機能安全規格の厳格な仕様への準拠が求められる自動車メーカーの取り組みを支えている。新しいAS5x47Uセンサは、外部デバイスとの通信向けに、巡回冗長検査(CRC)の保護機能を備えている。
・モーター制御の実装コストを低減する。amsの位置センサはすべて、特許取得済みの差動センシングアーキテクチャにより、浮遊磁場の影響を排除している。磁気を放射する構成要素が増え続けている中、これらセンサは充電ステーション、モーター、ソレノイド、高電圧配線などの発生源から放射される外部磁場から保護するためのシールドを一切必要としない。
・より小型で信頼性の高いモーターシステムを実現することで、原材料と製造コストが節約される。
・チップ内で測定結果を処理するamsの位置センサのデジタル信号処理器(DSP)コアを強化。測定結果は標準のUVW、ABI、PWMフォーマットで出力されるため、自動車の設計担当者は新型のスマート車両の制御システムへ容易に実装できる。
amsの位置センサ事業部門マネージャーを務めるアレキサンダー・レンシンク氏(Alexander Rensink)は次のように述べている。「電動化を進めることで、次世代の車両が環境に与える影響を大幅に削減できます。これは、自動車が環境に与える負荷を減らすために自動車業界が行っている取り組みにおいて大きな役割を果たします。amsの最新の位置センサ技術は、高速モーターのトルクと効率を最大化する使いやすい位置測定により、自動車業界の電動化を加速させます」
手軽な測定ソリューション
AS5x47U製品は、磁気センサ素子、アナログ信号調節、強力なDSPベースの処理エンジンを内蔵した、高度に統合された位置測定ソリューション。複数の出力フォーマットから使い勝手の良いものを選択できる。
・ABIインクリメンタル出力(業界標準)は、旧バージョンのAS5x47製品ファミリーの12ビット出力から、より高解像度な14ビットへ進化。
・UVW出力はブラシレスDC(BLDC)モーターのコミュテーションスキームで使用される。
・デジタルPWM出力は、外付けのマイクロコントローラーまたはマイクロプロセッサーで直接処理できる。
・高速の標準シリアルペリフェラルインターフェイス(SPI)を新たに8ビットCRCで保護している。
AS5147Uセンサはコンパクトな14ピンのTSSOPパッケージで提供、デュアルダイAS5247Uは7mm×7mmの32ピンのTQFPパッケージで提供される。両センサとも、AEC-Q100のグレード0に準拠している。
AS5147UとAS5247U位置センサは既に量産レベルの注文に応じられる。詳細な技術情報やサンプル希望の場合は、https://ams.com/as5147u と https://ams.com/as5247u を参照。
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