ヤマハ:ハイブリッドプレーサー「i-Cube10(YRH10)」発売
- 2021/06/17
-
MotorFan編集部
ヤマハ発動機は、電子部品表面実装用マウンターとベアダイ対応のダイボンダー機能を1台に併せ持つハイブリッドプレーサーの新製品「i-Cube10(YRH10)」を2021年7月1日に発売する。全面刷新により搭載精度と生産能力を共に従来機比50%向上を実現する。
「i-Cube10(YRH10)」は、省スペースながら優れた生産性と汎用性で定評のある、デバイス組み立て用ハイブリッドプレーサーに、ウエハ供給装置を標準装備したロングセラー「i-CubeⅡD(YHP-2D)」の後継機として開発された。幅広い電子部品・半導体パッケージに対するプロセス対応能力の高さを維持しつつ、生産能力と搭載精度を共に50%向上させ、ウエハ供給からのベアチップ搭載速度10,800CPH※、搭載精度±15μmを実現している。
主な特徴は、1)搭載ヘッドとウエハ認識カメラの動作最適化をはじめ、ヘッドに装備したスキャンカメラによる部品認識、10連マルチノズル搭載ヘッドの採用、ウエハ交換の高速化などによる高速生産性と、高剛性コンベアの採用や、軸制御最適化および熱補正機能などによる搭載精度の向上、2)1台で表面実装用の部品(SMD)とウエハ部品を混載可能な高汎用性、3)ウエハ部品の条件出しを視覚的に行えるウエハピックアップ条件出しユーティリティや、ユーザビリティを進化させた新開発ユーザーインターフェース、従来比2倍のフィーダ積載量など、使い勝手を考慮した機能である。
※CPH:(Chip Per Hour):1時間当たりで実行可能な搭載部品の総数。各種条件での処理能力を表す
名称:i-Cube10(YRH10)
発売日:2021年7月1日
販売計画:100台(年間/国内外)
市場背景と製品の概要
小型化・薄型化・低消費電力化・高機能化・多様化の流れが急加速している近年の電子部品・半導体パッケージの実装現場において、一段と微細なプロセスの採用が進み、これまで以上に高い搭載精度と、パッケージングコストに直結する生産性の向上が同時に求められている。
2007以来14年ぶりに刷新した新開発の「i-Cube10(YRH10)」は、このような市場の変化・要求にいち早く応え、搭載精度と生産性を共に従来機比50%向上を実現。表面実装用の部品とウエハ部品など、さまざまな種類の部品を1台で搭載できる機能を備え、電子部品・半導体パッケージ市場におけるさらなる販売強化を目指す。
また、ヤマハ発動機独自のコンセプト「1 Stop Smart Solution」により、SMDストレージ、印刷機、ディスペンサー、表面実装機、検査装置など、実装設備の業界随一のフルラインナップメーカーである同社のアドバンテージを活かし、スマートファクトリーを実現するために、実装ラインの設備にブラックボックスの無い高度な相互連携によって生み出される新たな価値を提供する。
部品の特徴
1)高速・高精度搭載
搭載ヘッドとウエハカメラの動作を最適化し、相互ユニットの待機時間ロスをゼロ化した。また、スキャンカメラをヘッドに装備することにより、ウエハ吸着後の部品認識を移動中に完了。最短距離で搭載位置への移動が可能となり、効率の良い動作サイクルを実現。さらに、搭載ヘッドのノズル数を4本から10本に拡大。部品搭載数に対するヘッドのサイクル数が大幅に削減。これらの効果により、ベアチップ搭載速度10,800CPH(ウエハ供給時)の高速搭載を実現した。
加えて、ウエハの交換時間を短縮し、ウエハ交換頻度が高いマルチダイ製品においてもスループットを落とさずに生産できる。
また、YSB55w等のフリップチップボンダ開発で培ったボール・バンプ部品認識システムを有効活用し、品質の高い生産の実現をサポート。さらには、フレームの剛性を抜本的に見直し、高剛性コンベアの採用によりヘッド稼動時のコンベアの動的振動を低減、加えて軸制御の最適化と熱補正機能などにより、±15μm (μ+3σ)の高い搭載精度を実現および維持する。
2)高い汎用性
表面実装用の部品とウエハ部品といったさまざまな種類の部品を搭載できるため、これまで複数設備に分けて行っていた搭載が1台で対応可能。コストや設置スペースが削減できる。また最大10枚のウエハをセット可能な無停止ウエハ供給ユニットや、最大 L330㎜×W250㎜サイズ基板への対応、自動ツール交換、デュアル突き上げユニットなど、高い汎用性をサポートする多彩な機能も装備している。
この他、ヤマハのマウンターで定評のオートローディングフィーダーにも対応可能で、生産を止めることなく、かつ供給タイミングを選ばずにいつでもテープリール部品の補給が実現できる。
スキルレス操作
ウエハ部品の条件出しを視覚的に行えるウエハピックアップ条件出しユーティリティにより、スキルレスで簡単にウエハの条件出しが可能。オペレータ作業をサポートする。このほかにも、ユーザビリティを進化させた新開発ユーザーインターフェースや、従来比2倍のフィーダ積載量など、使い勝手を考慮した機能を1台に詰め込まれた。
基本仕様
機種名:YRH10
対象基板寸法:L50×W30mm(Min)~L330×W250mm(Max)
対象基板厚:0.1~4.0mm
基板搬送方向:左→右(オプション:右→左)
コンベア基準:手前側(特注:奥側)
搭載精度:ヤマハ発動機最適条件時:±15μm (μ+3σ)
搭載能力:ヤマハ発動機最適条件時:10,800CPH(ウエハ供給時)
部品供給形態:6~8インチウエハ、テープリール
【搭載可能部品】
最小部品サイズ:0.35mm(ウエハ供給時)
最大部品サイズ:
スキャンカメラ:12mm H6.5mm
マルチカメラ:16mm H15mm
電源仕様:三相 AC 200/208/220/240/380/400/416V ±10% 50/60Hz
供給エア源:0.45MPa以上、清浄乾燥状態
外形寸法:L1,252 mm×W1,962 mm×H1,853mm
本体質量:約1,560kg
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanweb