高速回転性能と耐荷重性能を両立したULTAGEシリーズを開発 NTN:「高速・重切削工作機械主軸用アンギュラ玉軸受」を開発
- 2018/10/26
- Motor Fan illustrated編集部
NTNは、dmn値160万の高速回転性能と当社従来品比約1.3倍の負荷容量、および許容アキシアル荷重を両立した「高速・重切削工作機械主軸用アンギュラ玉軸受」を開発した。これにより、従来は複数の工作機械で行っていた荒加工から仕上げ加工までの工程を1台の工作機械で 担えるようになり、マシニングセンタや旋盤、複合加工機のさらなる生産性向上に貢献する。
近年、工作機械は、耐荷重性能が必要な中低速回転域の重切削から高速回転域の仕上げ切削までを1台で担うことが求められている。重切削の工作機械では、仕上げ切削もできるよう、現状のdmn値120万を上回る高速回転性能が必要とされ、また一方で、仕上げ切削の工作機械では、重切削も可能にする高い耐荷重性能が求められる。そのため、主軸用軸受には、トレードオフの関係にある、高速回転性能と耐荷重性能をより高いレベルで両立することが強く望まれてきた。
今回開発した「高速・重切削工作機械主軸用アンギュラ玉軸受」は、転動体(ボール)の大径化など内部設計の最適化と保持器強度の向上により、dmn値160万の高速回転性能を実現するとともに、負荷容量と許容アキシアル荷重を同社従来品比約1.3倍に高めている。これにより、高速回転と高荷重をより高度なレベルで組み合わせた厳しい条件で使用可能になり、工作機械の生産性向上に貢献するほか、工具と加工物の衝突に強い主軸づくりも可能となる。なお、ULTAGE(アルテージ)とは、究極を意味する【Ultimate】と、あらゆる場面での活躍を意味する【Stage】を 組合せた造語で、精密軸受の究極を求めるNTNの考えを表現したもの。
NTNは、本開発品を11月1日~6日に東京ビッグサイトで開催される「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」に参考出展し、工作機械メーカやスピンドルメーカに提案していく。
*dmn値:軸受の回転性能を表す値。dmn値=dm(転動体中心径mm)×n(回転速度min )。
【特 長】
1. 高速回転性能:dmn値160万対応(エアオイル潤滑、セラミックボールを採用した場合)
2. 負荷容量、許容アキシアル荷重:当社従来品(HSEタイプ)に比べて約30%向上
【用 途】 工作機械主軸(マシニングセンタ、旋盤、複合加工機)など
【販売目標】 2023年度 3億円/年
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