APB:全樹脂電池量産のためのAPB福井センター武生工場開所式を開催
- 2021/05/25
- Motor Fan illustrated編集部
APBは、全樹脂電池の量産のための第一工場である「APB福井センター武生工場」を稼動開始し、開所式を執り行った。
APBは、全樹脂電池(All Polymer Battery)の製造及び販売を行うスタートアップ企業。全樹脂電池は、活物質に樹脂被覆を行い、樹脂集電体に塗布をすることで電極を形成している。このような独自の製造プロセスにより、従来のリチウムイオン電池よりも工程を短縮することで、製造コスト・リードタイムの削減を実現するとともに、これまでにない高い異常時信頼性とエネルギー密度を実現している。部品点数が少なくて済むバイポーラ積層型で、樹脂で構成しているため、電極の厚膜化が容易に行え、セルの大型化が可能で形状自由度が高いことも特長。
開所式は、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受け、規模を大幅に縮小し、感染拡大防止対策を徹底の上、社内関係者中心で執り行った。式典で挨拶に立った堀江社長は、「福井県越前市において、第一量産工場を本日無事開所できましたこと、ひとえに関係者の方々のお力添えがあってのことと、心より感謝致しております。関係者の皆様には、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。」と語りました。また、筆頭株主である三洋化成工業株式会社の安藤社長は、「世界初の全樹脂電池の量産工場の開所ということで、心よりお祝い申し上げます。全樹脂電池はまさにサステナブルでよりよい社会を創造するために欠かせないソリューションです。全樹脂電池を世に広め、事業を発展させるよう今後も支援を行っていきます」と祝辞を述べた。
武生工場は、世界初の全樹脂電池の量産工場となり、従来のリチウムイオン電池工場とは大きく異なる特徴を持つ。廃液が出ないだけでなく、乾燥工程をはじめとする多くのプロセスを排除することで、使用エネルギーを削減することにも努めるなど、環境保護、保全効率の向上を重視した設計がなされている。
本日の開所式に引き続き、本年10月を予定している本格稼動に移行するべく、準備を進めていく。量産開始当初は、特殊用途を中心に生産を実施するが、上記の高エネルギー密度という特長を生かし、定置用蓄電池や各種モビリティ用途にも対応して生産を拡大させていく。将来的には武生工場を事業拠点として、生産拠点の世界各地への展開も図っていく。
【本工場の概要】
名称:APB福井センター武生工場
所在地:福井県越前市庄田町
建物概要:敷地面積約32,842平方メートル、2階建て、延床面積約9,628平方メートル
事業内容:全樹脂電池の設計、製造
操業開始予定:2021年10月頃
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