ams OSRAM:Belago 1.1ドットプロジェクタにより3Dセンシングのポートフォリオを拡充
- 2021/07/05
- Motor Fan illustrated編集部
ams OSRAMの日本法人:amsジャパンは、Belago 1.1ドットプロジェクタにより3Dセンシングのポートフォリオを拡充する。
自動運転車が主流になるまでにはまだ時間がかかる一方で、ロボットや無人搬送車(AGV)はこれまで以上に進化し、より多くのタスクを遂行するようになっている。このような流れを後押ししているのが、3Dセンサ技術分野における技術開発であり、これらのシステムの重要なコンポーネントが、ams OSRAMのBelago 1.1をはじめとする赤外線光源。このドットプロジェクタは、VCSELチップと特殊な光学系および堅牢性の高いパッケージを組み合わせ、ロボットや無人搬送車のアクティブステレオビジョン(ASV)による環境センシングに理想的だ。
ams OSRAMのプロダクトマネージャー、Matthias Gloor氏は次のように述べている。「ロボット掃除機やロボット芝刈り機などのコンシューマロボットや、産業用AGVおよび自律型移動ロボットは、周囲の環境をナビゲートするための『眼』を必要とします。当社のBelago 1.1ドットプロジェクタは、お客様が組み込みやすいパッケージで、周囲の高解像度マップの構築と高品質な障害物検知を可能にすることで、ロボットに視覚を提供します」
アクティブステレオビジョンは2台の特殊な赤外線カメラを使用して、ドットプロジェクタが、人間には見えない一定の視野に投影したパターンを読み取る。2台のカメラの視点を比較することで奥行きを計算し、高品質な三次元マップを生成する。ロボットの前方に障害物があると3Dマップ上に表示され、ロボットは停止したり、障害物を迂回したりするなどの行動をとることができる。
マイクロレンズアレイによる特殊なドットパターン
Belago 1.1のランダムなドットパターンは、赤外線VCSELと独自の光学システム(マイクロレンズアレイ、MLA)を組み合わせて生成される、5,000に及ぶ個別の光ドットから構成されている。これにより、2つの赤外線カメラによる画像のコントラストが向上し、高品質な環境マップの作成が可能となる。Belago 1.1は波長940ナノメートルの光を放射し、最大750mWの光出力を実現。1〜3mの距離でロボットの進路を確実に検知し、衝突を回避することができる。このドットプロジェクタは、VCSELチップ、マイクロレンズアレイ、パッケージを1つのコンポーネントに組み込んでいるため、システムメーカーの集積化作業を大幅に軽減することができる。また、4.2mm×3.6mm×3.3mmというコンパクトなサイズは、省スペースなシステム設計を可能にする。さらに、眼の安全を確保するため、独立したセーフティコンポーネント(いわゆるインターロック)を組み込んでいる。このコンポーネントは、光学系の破損や取り外しを検知すると、直ちに光源をオフにする。
3Dシステムで使用されるBelago 1.1ドットプロジェクタは、アクセス制御や決済端末向けの顔認証など、高解像度の三次元マップを必要とする新しいアプリケーションにおいても適用が可能。また、物流現場でのカメラによる容積計測や、ゲーム、ホームフィットネス、デバイスコントロールといったコンシューマ向け製品でのジェスチャー検知などのアプリケーションも容易に実現できる。
ams OSRAMは、Belago 1.1ドットプロジェクタと、それに組み込まれたアクティブステレオビジョンシステムの3D性能を評価するための3Dカメラ評価キット、Hermesを提供している。このキットは、顧客のコンポーネント評価とシステム評価を支援するために設計されている。追加のソフトウェア開発キットにより、Hermesはさまざまな環境に簡単に組み込むことができ、ラボでの概念実証を構築することができる。Belago 1.1以外にも、ams OSRAMは、アクティブステレオビジョン(ASV)、ストラクチャードライト(SL)、タイムオブフライト(ToF)の3つの3Dセンシング技術すべてに対応した、照明モジュールとセンサの包括的なポートフォリオを有している。
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanweb