快適な走りをサポートするクラッチレスのDCT仕様!ホンダNC750X DCT試乗 ホンダNC750X DCT試乗|シフトチェンジ不要の楽チンモーターサイクルでツーリングも疲れ知らず!?
- 2019/10/05
- 佐藤恭央
シンプルな中にバイク足らしめる要素をしっかりと満たし、ビギナーからベテランまで納得させる、広い間口を持ったNCシリーズ。そのクロスオーバーモデルがNC750Xだ。仕様変更の毎に最新装備が奢られて熟成の域に突入したこのモデルの乗り味や使い勝手が試乗から見えてきた。今回はDCT仕様をチョイス!
REPORT:川越 憲(KAWAGOE Ken)
PHOTO&EDIT:佐藤恭央(SATO Yasuo)
NC750X Dual Clutch Transmission……968,000円
NC750X……900,900円
電子デバイスや足周りなど機能向上! 熟成を遂げたパフォーマンスに注目!
2012年に登場したNCシリーズは、市街地やツーリングなどの常用域での使いやすさとコストパフォーマンスを重点においた「ニューミッド・コンセプト」を掲げ、世界的に注目を集め好調なセールスを記録した。そのNCシリーズで最も人気のあるのが、クロスオーバータイプのXだ。
2014年に排気量を700ccから750ccにアップしてNC750Xへとリニューアルし、2016年のモデルチェンジでは外装を一新したほか、ヘッドライトやテールランプのLED化やマフラーの改良、DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を熟成させた。さらに、2018年にはABS、グリップヒーター、ETC2.0、HSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)を標準装備し、ツーリングを重視したクロスオーバーモデルとしてこれ以上は必要ないと言えるほどまでに装備を充実させている。それでいて車体価格がこのご時世に100万を下回るのは嬉しいところだ(もちろん高価ではあるけれど)。
今回試乗したのはクラッチレバーの無いDCT仕様。750ccモデルではあるが、リッタークラスにも引けを取らない車格がある。またがってみると、幅広のバーハンドルやラゲッジスペースを兼ねた大柄なダミー燃料タンクカバーによってmゆったりとしたライディングポジションを取ることになる。ただ、燃料タンクがシート下に位置するため重心が低く、車体の大きさのわりに取り回しはしやすかった。
中低速重視で好燃費も期待! レブに当たる快感もスポーツ志向
以前、の2014年モデル(750㏄版初代)に試乗したことがあるのだが、今回試乗したモデルは、乗り味に旧機にあったフワフワ感が無くなって上質になっているのがすぐにわかった。改善されたのは主にフロントフォークだ。調整機構のないシンプルな正立式だが、非常に減衰の効いた動きで、ブレーキやコーナリング時の車体制御に貢献している。
ホンダのDCTモデルは、X-ADVに続いての試乗となるが、X-ADVに比べてギアのシフトアップ&ダウン時のマシンの挙動が少なめだと感じた。クラッチレバーが無く、速度がゼロキロになると自動でニュートラル状態になる機構は、特に街中や長距離ツーリングで煩わしさがなく、疲労軽減の恩恵を実感出来るはずだ。
DCTのギアチェンジはノーマルモードで20km/hで2速、30km/hで3速、40km/hで4速と、自動でシフトアップしていくのだが、個人的にはもう少しエンジン回転数を上げてギアチェンジしたいというのが本音。燃費のことを考えてもできるだけ低いギアでギアチェンジしたほうがいいとは思うのだが、エンストしそう(そんなことは絶対ないのだが)な気になってしまうのだ。そこで、スポーツモードにしたところ、約5km/hプラスされた速度でシフトアップされていったので感覚的にもちょうど良かった。いずれも、60km/hを超えるとモードの違いがほぼ無くなるが、街中や低中速での走行フィーリング改善のため、気軽にモード切替を行いたい。
低中回転域に特化したエンジンは、6500rpm付近でレブリミッターが効く設定。そう聞くと、のんびりとツインの鼓動を味わうライダー向けかなと思いがちだが、スポーツ派にとっても、レブリミッターまで回す楽しみが簡単に味わえるメリットもある。
標準装備されているトルクコントロール(HSTC)は、滑りやすい路面状況でスリップの軽減が期待でき、不整地走行だけでなく、雨や路面温度が低いときにも有効。安全マージンの拡大につながる機構は、大人のライダーとって嬉しい装備だ。
気負わず日常が楽しめるコンセプトは、モデルチェンジが重なっても不変。スポーツもツーリングも、ちょっとした冒険も、そつなくこなす優等生といえる。
足つきチェック(ライダー身長182cm)
シート高は830mmと大型スポーツバイクとしては平均的。前後サスペンションの沈み込みもあり、身長182cm、体重70kgのテスターは、余裕で両足のかかとが着いた。バーハンドルは位置が高めで、手前にオフセットされていることもあり、自然なアップライトポジションになる。
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