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PR AVLに訊くAD/ADAS開発の最新事情「実機と仮想環境の融合で自動運転/ADAS開発を加速」 PR
- 2020/04/17
- Motor Fan illustrated編集部
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法規制という基本的な部分ですら、未確定の部分が残る自動運転では、複雑なシステムゆえのコストや信頼性の確保など、乗り越えるべきハードルが少なくない。ここに紹介するのはハードからソフトまで幅広い開発ツールを統合するAVLの最新手法だ。
TEXT:髙橋一平(TAKAHASHI Ippey) FIGURE:AVL
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自動運転が電子制御を大きく変えようとしている。その変化において中心となるのはAI(人工知能)という要素だ。このAIでは、制御用のマイクロコンピューター(以下、マイコン)をベースとするこれまでのECU技術とは、若干異なるものが求められることから、GPU(グラフィックプロセッサーユニット)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などからなるSoC(システムオンチップ)のような部品を実装する、AI用途に特化した専用のハードウェアが必要となってくる。AIも数値化を礎とするデジタル技術であることに変わりはないのだが、少なくとも制御用途のマイコンでは、自動運転に必要な機能や能力を持つAIを走らせることはできないと思って間違いない。
こうした自動運転を開発する現場のニーズに応えるべく、AVLが新たにリリースしたのが「Ajunic」。今日のAI技術において代表的なニューラルネットワークを扱うことが可能な、自動運転システムの開発に特化した“ホワイトボックス” である。内部の仕様がベールに包まれる“ブラックボックス” とは異なり、すべてが“オープン” であり、ソフトウェアを自由に書き換えることができるというもの。いわば開発用としてのフレキシビリティを備えた車載AIユニットだ。単体として機能や性能もさることながら、最大の特徴といえるのが、同社が用意するさまざまなシステムとの連携により、全方位からの開発が可能という点。このあたりは、ドライブトレーン開発用のテストベッドやHILSなどから、ECU開発用のシステムツールまで、自らのエンジニアリング業務を通じて生み出される実践的なツールを揃える同社らしいところであり、また強みともいえる部分だ。
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運転動作をシステムに任せる自動運転のカギのひとつとなるのが信頼性の確保と評価だが、学習という要素の積み重ねで動作の精度を高めていくというAIでは、充分な信頼性の確保に膨大なテスト量が必要となってくる。走行距離にして数千万km以上とも言われるそれは、実走行ですベてを確認するには、もはや現実的とはいえないレベル。そこでAVLでは自動運転に特化したテストベッドシステム「DRIVINGCUBE」も用意。世界中のさまざまなベンダーによるシミュレーション(ソフト)やモデルなどと連携しながら、実車をシミュレーション環境上で走行させることも実現している。このDRIVINGCUBEでは、カメラが捉える前方風景はもちろん、ミリ波レーダーの反射波までエミュレート(模擬)が可能となっている。
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動作の精度や質(つまりドライバーでいうところの運転スキル)もさることながら、機能安全も重要だ。自動運転ではISO26262(車載用電気電子システムの機能安全規格)のなかでも、最高のランクにあたるASIL-Dに準じたフェイルセーフ機能(冗長性の確保など)が求められる。Ajunicは設計段階からこうした機能安全規格を前提としており、量産向けの開発が可能だ。
また、センサーやシステムの能力を補完するという意味で自動運転に必要不可欠とされるコネクテッド技術への対応も注目すべき点のひとつで、外部ネットワークとの接続において安全性を確保するためのサイバーセキュリティ技術も実装。ここで用いられる技術はPCなどのセキュリティで知られるカスペルスキー社との協業のもと開発されたとのことで、車載用途に最適化された、専用のセキュリティプラットフォームが採用されている。
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