- TOP
- 2020 モーターファン・テック・エキスポ
- 技術/サービス
- ジェイテクト:第5世代円すいころ軸受で高効率化を図る
2020モーターファンテックエキスポ:ジェイテクト ジェイテクト:第5世代円すいころ軸受で高効率化を図る
- 2020/05/27
- Motor Fan illustrated編集部
自動車用として広く採用されている低トルク円すいころ軸受LFTシリーズNo.1性能となるLFT-Ⅴを開発しました。LFT-Ⅴは当社低トルク標準品LFT-Ⅱと比較し,優れた低トルク性(-60%)、異物油中寿命向上(2倍)、耐低温焼付き性向上(2.2倍)、昇温抑制(-15%)、軽量化(-5%)が図られているだけでなく、従来製品の置き換えも容易な設計となっています。これらの性能に大きく寄与する樹脂保持器は、形状の最適化を行い、軸受内部へ取り込む潤滑油を最適化。撹拌抵抗の低減と共に取り込んだ潤滑油の流れ最適化により低粘度油でも軸受昇温を抑制。更にポケット部に設けた油保持溝によって、低温時や始動時の耐焼き付き性も向上しました。このシリーズNo.1性能で内燃機関車及び電動車の燃費向上に貢献して参ります。
※ LFT は Low Friction Torque の略で、ジェイテクトの登録商標です。
□ 安全
■ 環境・エネルギー・資源
■ エンジン・トランスミッション
■ EV/HVシステム
□ 実験・計測・車両開発・生産・製造
□ 情報・通信・エレクトロニクス
□ その他
第5世代低トルク円すいころ軸受「LFT-Ⅴ」
自動車のトランスミッションやデファレンシャルに用いられる円すいころ軸受は油中で使用されますが、特に「潤滑油粘度が高い」「給油量が多い」「回転速度が高い」といった使用条件となり、軸受のポンプ作用により、潤滑油の攪拌損失が大きくなってしまうという問題がありました。
そこでジェイテクトでは、潤滑油の攪拌損失の低減に着目し、軸受内部に流入する潤滑油量を抑制することで大幅な低トルク化を実現した「第3世代低トルク円すいころ軸受(LFT-Ⅲ)」、「第4世代低トルク円すいころ軸受(LFT-Ⅳ)」を開発し商品化してまいりました。
この度、更なる低燃費化へのニーズに応えるため、樹脂保持器形状の最適化を行い、潤滑油の流入量を最適制御することで、No.1の低トルク性を実現すると共に、保持器ポケット部に油を保持できる溝を設け、始動時や低温時の耐焼付き性の向上、加えて、昨今の低粘度油化および油量低減を見据えて、軸受内部の油流れの最適化を行うことで、軸受昇温も低減できる、「第5世代低トルク円すいころ軸受(LFT-Ⅴ)」を開発しました。
● 樹脂保持器形状の最適化により、円すいころ軸受-LFTシリーズNo.1性能を実現
①低トルク性No.1、長寿命No.1:保持器から内外輪のラビリンス構造や保持器形状の最適化により、軸受内部への流入量・異物を低減し、低トルク化および長寿命化を実現
②耐焼付き性No.1:油保持溝の追加による油保持性向上で、低温時・始動時の耐焼付き性を向上
③低昇温性No.1:高温になりやすい「ころ大端面部」に油を誘導し、「内輪つば部」の潤滑性を向上するなど、軸受内部の油の流れを最適化
● 周辺部品の変更無く,省スペースでの低トルク設計対応が可能になり, 円すいころ軸受-LFTシリーズ最軽量を実現
保持器材質や形状の変更により、LFT-Ⅱ(JTEKT低トルク標準品)比で、軸受質量を5%軽量化、保持器の出量(外輪端からの出っ張り部分)を60%削減
お問い合わせ先:経営企画広報室・山田恵美
emi_yamada@jtekt.co.jp