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Z800よりも格段に軽く、魅力が増した最新モデル 税込100万円以下! コスパ重視系のカワサキZ900は予想以上に走れるヤツだった。

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Z900RSと同系統の948cm³並列4気筒エンジンを搭載しながらも、車両本体価格は100万円以下という大排気量車らしからぬ価格を実現。2018年4月に発売されたZ900は、そのリーズナブルさとは裏腹に、走りも十二分に楽しめる逸材であった。
REPORT●近田茂(CHIKATA Shigeru) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

カワサキ Z900……950,400円

 今回はカワサキのスーパーネイキッドでトコトコも含めてしばしツーリングに駆り出してみた。その名もZ900。古い人間はZ1を思い出すネーミングだが、昨年の東京モーターショーデビューで注目を集めたZ900RSや同CAFEと基本コンポーネントを共有するベースモデルである。試乗車はキャンディパーシモンレッド&メタリックスパークブラックのツートーンカラー。他にはフレームがライムグリーンで塗られたパールミスティックグレー&メタリックスパークブラックもチョイスできる。

 まず驚かされたのは、その価格だ。Z900RSがおよそ130万円。同じくZ900RS CAFEは135万円。それと比較するとZ900は95万円程度という驚きのバーゲンプライスと思えたからだ。同カテゴリーで調べると、例えばスズキGSX-S750は約97万円。デビュー当初約85万円だったヤマハMT-09も今は100万円をオーバー。Z900はかなりのお得感を覚える。
もちろん装備パーツの質感は、Z900RSの方が価格差相当の差はあるが、走りは悪くない。

アグレッシブに遊べる実力者

 好みは分かれるだろうが、少しヤンチャな雰囲気を覚えるほど、動力性能的にはZ900RSよりも元気が良いのである。ダイヤモンド式トレリスフレームや搭載エンジンは前述の通り基本的に共通ながら圧縮比は高く、スペックデータでも最高出力が勝りトルクも含めてその最大発生回転数は高いところにある。
6MTもクロスレシオが採用され、ローを除いて全体的ギヤリングが低めの設定。当然スロットルレスポンスは良い。反面クルージング時のエンジン回転数が高め。賑やかな雰囲気でライダーはついついその小気味よいレスポンスを活用して走りたくなってしまうのだ。

 ややコンパクトに感じられる車体はライディングポジションもスマートに決まり、扱いもより軽快なフィーリング。Z900RSと比較するとホイールベースも短く、ハンドル切れ角は33度と小さいのに、最小回転半径は同じ2.9mが確保されていた。旋回への操舵フィーリングも少しシャープな雰囲気がある。峠道などでグイグイと走りを楽しみたい人にはおすすめできる乗り味なのだ。

実走燃費はおよそ20km /ℓ

シンプルかつ斬新なデザインの液晶表示メーター。見やすいが回転計の目盛りは大味。ただ表示は3パターンから選択できる。シフトアップインジケーターやエコノミカルライディングインジケーターも装備されていた。
 不思議なものでトコトコとのんびり走ろうと思って出かけたツーリングだったが、その雰囲気に飲まれてついついスロットルを開け気味で走らせてしまう。何しろその時のダイナミックな加速感や鋭い噴き上がりを楽しむ走りはバイクを味わう醍醐味のひとつなのだ。気持ちとしてはアンチエイジングにも役立つのかもしれないと思いつつ、帰路に使った高速では速い流れに乗って一気走りを楽しんでしまった。

 なお6速トップ100㎞/h走行時のエンジン回転数はメーター表示で4000rpmだったが500rpm毎のデジタル表示はかなり大雑把。実質的には約4300rpm前後だと思う。今回のツーリングでは満タンスタートで291㎞走行したところで燃料計が点滅しメーターには残50㎞が表示された。市街地や郊外と高速を約400㎞走行し、トータル燃料消費率は19.4㎞/ℓであった。

 メーターの機能や素材感、シートの作りが今一歩と感じるのは事実。予算にゆとりがあれば、サスペンションを弄ってみたくもなるだろうが、ブレーキも含めて全体的な素性は良し、価格も込みで考えると手を出しても後悔の無い1台であると思う。Z900RSとはキャラクターが異なる点でもなかなか魅力的なラインナップのひとつだろう。

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