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ステディーな旅バイクとしての仕上がりが魅力的 【実走燃費18.8km/L】カワサキNinja1000はなんかいい感じのツアラーに仕上がっていた。

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2016年10月ドイツはケルンメッセで開催されたインタ-モトで初公開。スポーツツアラーのNinja 1000は、ネイキッドZ 1000と主要コンポーネントを共用するモデルだ。最新の電子技術導入を始め、ツーリング用途を踏まえた実用装備の充実と快適な走りを追求して誕生。2017年9月からIKM(インディア・カワサキモータース)で生産されている。

REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

パニアケースはオプション(片側28L容量、積載量は5kg)。左右セットで97,200円、取り付けにはフィッティングキット(2,239円)も必要。

カワサキNinja1000……1,274,400円

メタリックスパークブラック×メタリックマットカーボングレー
エメラルドブレイズドグリーン×メタリックマットグラファイトグレー

 アルミツインチューブのダイヤモンドフレームにボア・ストローク77×56mmショートストロークタイプの水冷DOHC16バルブ4気筒エンジンを搭載。排気量は1043ccで141psを発揮する。このセットはネイキッドスポーツの Z1000と基本的に共通である。ただしNinja 1000の方はフルフェアリングやパニアケースの装備も考慮してインテグレ-テッドデザインされたスポーツツアラーに仕上げられている。
 Z1000はリッタークラスのスーパーネイキッド。「Sugomi」をテーマに迫力ある走りを追求し、ハイレベルの動力性能を発揮してピュアに走りを楽しめる。その基本部分を共にするも、Ninja1000はツアラーとしての機能性を昇華させ、まるで趣の異なるモデルになっているわけだ。  
 
 フロントのスクリーンは3段階に角度調節でき、ライダーの体格や好みに合わせたプロテクション具合を選択できる。セパレートの前後シートもボリュームのある専用クッションが採用されている。
 ステアリングも若干ではあるが切れ角が31度へ改善されてUターンもいくらかしやすい。フロントフォークはφ41mmの倒立式で、プリロードと伸び圧両方のダンピング調節ができる。リヤサスペンションのストロークも144mmと長くなり、リンクを持つモノショックのプリロード調節はシート下右側に別体式アジャスターを備えダイヤルを回す事で簡単に変更できる仕組みだ。
 
 先進の各種電子デバイスも豊富に採用されており、ボッシュ製のIMU(慣性計測装置)を活用したKCMF(カワサキ・コーナリング・マネジメント・ファンクション)を導入、スムーズで安定する落ち着きのある走りが期待できるのである。

重厚感あるジェントルな乗り味

 車重は235kg、パニアは片側約4㎏。ガソリン満タンだからおよそ250kg はあるだろう。それだけに車体の引き起しも取りまわしも重量感たっぷりで、扱いは慎重になる。またバイクに跨がって車体を引き起こした時、ガソリンの横揺れが顕著に感じられる。その余韻で車体がロール方向に揺さぶられるのだ。でも気になったのはそこまで。
 
 エンジンを始動すると4気筒ならではのスムーズな回転フィーリングと音程の低い図太い排気音が何ともジェントル。いかにも上質な雰囲気を感じる。純正オプションのパニアケースも上質な仕上がりだ。どこか大人の雰囲気が漂い、これで旅に出るシーンがとても贅沢に感じられたのである。
 
 ショートストロークタイプのエンジンは、1000ccを超える排気量でありながら、軽快な吹き上がりを発揮。レッドゾーンは11000rpmからだ。その気になれば最高出力発生回転数の10000rpmも難なく超え、そのハイパフォーマンスぶりは申し分の無いレベルにある。スロットルを開けた瞬間のレスポンスは一瞬穏やかに感じられるも、みるみると小気味良く上昇速度を高め、その加速感は気持ち良い。
 
 ハンドリングに関しては、当初タイヤの空気圧が甘い様に感じられた。旋回時に車体を倒し込むと、舵の微妙な切れ込みが伴い、車体が倒れ込む挙動に対して若干の抵抗を覚えたからだ。ところがこの挙動には直ぐに慣れる。むしろ切れた舵と上手くバランスしてあまりバイクを倒し込まなくてもスムーズに旋回してくれるのだ。
 大きく倒してスポ-ティに峠を攻める次元のお話ではないが、前述のスムーズな旋回性は、タイヤ(路面)のグリップ力を頼らない乗り味が直感できる。つまり雨の中でもそこそこのアベレージスピードをキープしたまま実に安心して無理なく走れてしまう。肩の力を抜きバイク任せで終始変わらぬ安定走行が楽しめるのである。 
 
 ウインドプロテクションも優秀、高速クルージング時の静粛性も良い。シートクッションも厚みがあり、快適だ。タンデムや荷物満載、宿泊を伴う長旅にも対応できるロングツアラーとしての機能性がシッカリと構築されていた。ちなみにローギヤでエンジンを5000rpm回した時の速度は51km/h。トップ100km/hクルージング時のエンジン回転数は4250rpmだった。

 シ-ト高は少し高めで見晴らしの良いライディングポジションも印象的。まさに旅するイメージ、それもロングツーリングに相応しい相棒と感じられた。前述の通りの重量感とパニアを装着したボリューム感は実に立派。ハッキリ言ってチョイ乗りに使える気分では無いが、次の週末が楽しみになって来るのである。

⚫️足つきチェック(ライダー身長170cm)

両足の踵は少しばかり地面から浮いてしまうが、足つき性に難はない。ちなみにシート高は815mm。オプションのローシート(16,308円)に換装すれば807mmになる。

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