ライバル比較|インドネシアで発売の新型ヤマハNMAX155と、日本で1月発売の新型ホンダPCX160を比較
- 2021/01/26
- MotorFan編集部 北 秀昭
2021年1月28日(木)にホンダの人気スクーター「PCX」「PCX160」「PCX e:HEV」がフルモデルチェンジされて発売。ここでは156ccエンジン搭載の新型「PCX160」と、国内での発売が待たれる新型のヤマハNMAX155 ABS(生産国であるインドネシア仕様の15.4馬力)の諸元を比較。ライバルである両モデルの特徴や違いを比べてみよう。
REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)
水冷4ストロークSOHC4バルブエンジンを搭載した、ライバル車の違いとは?
ホンダPCX160......40万7000円(消費税10%込)
ヤマハNMAX155 ABS(インドネシア仕様)......3375万ルピア ※日本円で約25万円(2020年1月26日現在のレートで換算)
2021年1月28日(木)に発売の新しいPCXシリーズは、新設計の水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒「eSP+(イーエスピープラス)」エンジンを搭載。
また、前後にディスクブレーキを装備(前モデルはリヤがドラム式)し、フロントブレーキのみ作動する1チャンネルABSを導入。Hondaセレクタブルトルクコントロール、充電などに便利なUSBソケット等も装備済みだ。
新型PCXシリーズ最大のポイントは、シンプルな2バルブエンジンから、吸排気効率に優れた4バルブエンジンに進化したこと。スリップしやすい路面でも安心の電子制御システム「Hondaセレクタブルトルクコントロール」も新装備されるなど、動力性能、安全性、利便性のすべてにおいて大きく進化した。
PCX160を上回る、超豪華装備が満載!最新版のNMAX155 ABS(インドネシア仕様)は、国内で間もなく発売か!?
PCX160のライバル車でもあるヤマハNMAX155 ABSは、世界各国で支持されている「TMAX」「XMAX」のDNAを継承。斬新なスタイルとスポーティな走りなど、MAXシリーズの長所をコンパクトなボディに凝縮。通勤や街乗りに適した、優れたコミューターに仕上げられている。
生産国であるインドネシアの最新モデルは、装備に合わせ、現地ではスタンダード(標準モデル)、コネクティッド(中堅モデル)、ABS(最上級モデル)の3グレードをラインナップ。
インドネシア仕様のフレームは、前モデル(国内の現行モデル)より引き継がれたスポーティなバックボーン型。エンジンはPCXシリーズと同じく、水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒。排気量は155ccで、156ccのPCX160よりも1ccだけ少ない。またNMAX155 ABSは、ヤマハ独自の「BLUE CORE(ブル-コア)」と呼ばれる最新テクノロジーも導入済み。
ヤマハNMAX155 ABSのエンジンには、6000rpmを境に低速向けと高速向けカムが切り替わる可変バルブ機構(VVA)を採用。アルミ鍛造ピストンやアルミダイキャクトシリンダーを採用するなど、フリクションロスや高効率燃焼化も徹底追求されているのが特徴だ。
国内仕様のNMAX155 ABSは、最高出力が15馬力(11kW)だが、インドネシア仕様は15.4馬力(11.3kW)にパワーアップ(欧州仕様は15.1馬力/11.1kW)。これに加え、
●トラクションコントロール
●スマートキーシステム
●アイドリングストップ
●スマートフォン充電用電源ソケット(左インナーポケット内)
☆デュアルチャンネルABS(PCX160はフロントのみの1チャンネルABS)
☆スマートモータージェネレーター(オンにするとモーターの音がスムーズになる)
☆リザーブタンク付きリヤショック(欧州仕様はリザーブタンク無し)
☆新型マルチメーター(スマートフォンと連携可能)
を装備するなど、大幅にグレードアップ。
●はPCX160にも装備済み。☆はPCX160に非装備。
注目点は、電話やメッセージの通知、駐車位置お知らせ機能、メンテ時期や故障通知機能などの情報を、Bluetooth接続によってスマートフォンと連携させ、新型マルチメーターに表示させる「ヤマハモーターサイクルコネクト」を搭載していること。
上記最新版の国内発売は、2021年1月26日現在未定。もしもリリースされる場合は、PCX160の15.8馬力(12.0kW)と同等、もしくはそれ以上のポテンシャルで市場投入されるかも。大いに期待したいところだ。
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外観・サイズ・足周りの違いをチェック!PCX160は安定感のある走り。NMAX155 ABSは小回りの効く軽快さを意識!?
【ホンダ PCX160】
全長×全幅×全高:1,935mm×740mm×1,105mm
軸距 :1,315mm
最低地上高:135mm
シート高:764mm
車両重量:136kg
最小回転半径:1.9m
タイヤ:前110/70-14M/C 50P、後130/70-13M/C 63P
ブレーキ:F 油圧式Φ220mmシングルディスクブレーキ R 油圧式Φ220mmシングルディスクブレーキ ※ABSはフロントに装備
懸架方式:F テレスコピック/R ユニットスイング
フレーム:アンダーボーン
【ヤマハNMAX155 ABS(インドネシア仕様)】
全長×全幅×全高:1,935mm×740mm×1,160mm
軸距 :1,310mm
最低地上高:124mm
シート高:765mm
車両重量:132kg
最小回転半径:-
タイヤ:前110/70-13M/C 48P、後130/70-13M/C 63P
ブレーキ:F 油圧式Φ230mmシングルディスクブレーキ R 油圧式Φ230mmシングルディスクブレーキ ※ABSは前後に装備
懸架方式:F テレスコピック R ユニットスイング
フレーム:バックボーン
両車ともシャープかつ肉感的なフォルムが大きな特徴。フレームはPCX160がアンダーボーン、NMAX155 ABSがバックボーンを採用。ホイールベースはPCX160が5mm長いが、ボディサイズはほぼ同じ。シート高もほぼ同じだ。重量はNMAX155 ABSがPCX160よりも4kg軽量なのが特徴。
前後ブレーキは両車とも、制動性に優れた油圧式ディスクを採用。フロントブレーキは、PCX160がΦ220mmディスクローターに片押し型2ピストン。NMAX155 ABSは、PCX160よりもΦ10mm大径のΦ230mmディスクローターに、1ピストンをコーディネイト。
ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は、PCX160がフロントブレーキのみ。NMAX155 ABSは前後ブレーキに導入。前後タイヤは両車ともラジアルとし、幅と扁平率は同寸法。
フロントホイールはPCX160が14インチ、NMAX155 ABSは13インチを採用(リヤはともに13インチ)。車両重量とフロントホイールサイズから見た場合、PCX160は安定感のある走りを重視。NMAX155 ABSは小回りの効く軽快さを意識したイメージだ。
+7cc、2バルブ→4バルブ化で0.8psアップ。フルモデルチェンジで進化したホンダPCX160に乗る。
PCXシリーズのモデルチェンジは、国内では軽二輪となるPCX150も大きく変貌させました。新設計されたエンジンは排気量を149㏄...
最高出力&最大トルクはPCX160が上!水冷4ストロークSOHC4バルブエンジンを比較
【ホンダPCX160】
エンジン:水冷4ストロークSOHC単気筒4バルブ
排気量:156cc
ボア×ストローク:Φ60.0mm×55.5mm
圧縮比:12.0
最高出力:12.0kW(15.8ps)/8,500rpm
最大トルク:15Nm/6,500rpm
燃料タンク容量:8.1L
【ヤマハNMAX155 ABS】
エンジン:水冷4ストロークSOHC単気筒4バルブ
排気量:155cc
ボア×ストローク:Φ58.0×58.7mm
圧縮比:11.6
最高出力:11.3kW(15.4ps)/8,000rpm
最大トルク:13.9Nm/6,500rpm
燃料タンク容量:7.1L
両車とも水冷4ストロークSOHC単気筒4バルブエンジンを採用。排気量はPCX160が1cc多いのが特徴。最高出力はPCX160が0.4馬力高く、回転数も500rpm高い。最大トルクはPCX160が1.1Nm高く、NMAX155 ABSよりも力強いイメージだ。
PCX160はストロークよりもボアが大きい、ショートストローク型エンジン。一方、NMAX155 ABSは、ボアよりもストロークの長いロングストローク型エンジンに設計。
一般的にショートストローク型エンジンは、一般的に回転を上げてパワーを稼ぐ、多気筒のレーシングモデルに多用されるタイプ。ロングストローク型エンジンは、粘り強くてトルクフルな、街乗りに適したタイプ。
ショートストロークかつ、12.0という単気筒にしてはやや高めの圧縮比に設定されたPCX160は、レーシーな乗り味を確保しつつ、15Nmの高トルクを確保することで、街乗りでの扱いやすさを両立しているのが大きなポイント。
なお、PCX160の燃料タンク容量は、NMAX155 ABSの7.1Lよりも1L多い、大容量な8.1Lを確保。パワーはもちろん、実用面でもNMAX155 ABSを、ややリードしているのが特徴だ。
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