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NTN:二輪車スイングアーム用ポリルーブ針状ころ軸受の量産を拡大

  • 2021/06/24
  • Motor Fan illustrated編集部
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NTNは、二輪車のスイングアーム用ポリルーブ針状ころ軸受の量産を拡大する。潤滑剤「ポリルーブ」の適用によるメンテナンスフリーの実現や、組み付け時の取り扱い性に加え、二輪車の設計の多様化に対応する耐高温性などが評価され、欧米メーカを中心に採用が拡大している。

 二輪車のスイングアームは、タイヤ(車軸)と車体(フレーム)をつなぐリアサスペンションの部品のひとつ。走行時、路面からの衝撃やタイヤの振動に応じて、フレームの連結部を軸に上下に動くことで、衝撃や振動を吸収し、二輪車の安全性や快適性を支える。
 フレームの連結部に使用される軸受には耐荷重性と小型化が求められ、一般的にはシェル形*1針状ころ軸受(総ころ形*2)が使用される。しかし、本軸受は定期的なグリース給脂や、ハウジングや軸に給脂穴の設置を必要とするほか、軸受の取り付け時にころが外れやすいなどの課題があった。

 NTNが量産を拡大する針状ころ軸受は、潤滑剤に固形の「ポリルーブ」を用いた商品。ポリルーブはNTNが独自に開発した固形潤滑剤*3で、強い振動や遠心力、水分などが伴う環境でも軸受から漏れにくく、長期にわたって優れた潤滑性能を発揮するため、グリースの給脂および給脂穴の設置が不要。また、ポリルーブは、ころを保持する機能も持つため、組み付け時にころが外れる心配がない。組み付け時のグリース塗布も必要なく、組み付け時の取り扱いが容易。

【特長】

1.メンテナンスフリー
取り付け後のグリース給脂が不要。ハウジングや軸に給脂穴を設けることなく使用可能。
2.取り扱い性
軸受からころが外れない。グリースを塗布せずに取り付けが可能
。
3.高温対応
マフラー(排気管)周りの設計自由度が向上

 近年、二輪車の設計が多様化する中、マフラーとスイングアームの位置が近くなり、スイングアーム部が高温となることがある。メンテナンスフリーや優れた取り扱い性に加え、こうした高温環境に対応可能なポリルーブ商品もラインアップしていることなどが評価され、趣味性の高い中型・大型バイクを製造する欧米メーカを中心に採用が拡大している。

*1 精密絞り加工(プレス加工)で成形された外輪を適用した針状ころ軸受。薄肉の外輪による軽量さとコンパクトさを特長とする。
*2 “ころ”を一定間隔に保持する保持器を用いない針状ころ軸受。保持器がないため、保持器付よりも“ころ”本数を多く適用することが可能で、高負荷容量を特長とする。
*3 グリースと樹脂を加熱・冷却処理して固めたもので、軸受け使用時に生じる熱や遠心力を用いて潤滑剤の油分を軸受に供給する。

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