島津製作所:精密万能試験機「オートグラフAGX-Vシリーズ」を発売
- 2019/04/15
- Motor Fan illustrated編集部
島津製作所は、業界トップクラスの測定能力を実現し、操作性や安全性を大幅に向上させた精密万能試験機「オートグラフAGX-Vシリーズ」を4月15日に発売する。
力を加えて物体を変形させ、力と変形量の関係を測定する強度試験は、幅広い業界で欠かさず実施される。島津製作所は、1917年に初めて試験機を製造して以来、様々な研究開発や品質管理の現場に貢献してきた。多彩な試験機ラインナップの中でも、精密万能試験機「オートグラフ」シリーズは、引張、圧縮、せん断をはじめとする様々な試験方法に対応する同社の主力ブランドだ。
近年の試験機には、鉄鋼業界における金属材料引張試験の国際標準規格に準拠したひずみ速度制御精度や、自動車および航空機などの業界で研究開発が加速している複合材の試験で重要な軸心精度といった性能面での要望が高まっている。また、分野や熟練度によらずオペレーターが増えたことで、操作性や安全性に優れた装置が求められており、データの信頼性を保つ機能なども必要とされている。
こうした中、顧客ニーズをとらえた多数の新機能の導入や様々な改良を施し、世界トップブランドの確立を目指して開発を進めた製品が「オートグラフAGX-Vシリーズ」。金属や炭素繊維強化プラスチックなどのような大きな試験力を必要とする素材のみならず、一般的な材料試験にも優れた能力を発揮する。
本シリーズは、100年以上にわたって試験機を製造してきた島津製作所の知見を結集して開発したハイエンドモデル。業界トップクラスのサンプリング速度やひずみ速度制御、治具の交換を容易にするマルチジョイントや新コントローラの導入、ダウンタイムを抑える自己診断機能の搭載など、極めて高い基本性能と操作性を実現している。
価格 559万円~(ソフトウェア込み、税別)
販売計画 発売から1年間でシリーズ合計国内外600台
新製品の特長
1. 業界トップクラスの測定能力
これまでも業界トップクラスだったサンプリング速度が従来製品の2倍となる10kHZに向上したことで、1秒間に10,000回の試験力を採取できる。ISO6892で規定されるひずみ制御方式での試験については、制御周期を10倍に高め、応答性を向上させた。また、業界トップクラスだった測定精度保証範囲を1/1000からさらに広げ、1/2000まで保証する機種をラインナップしている。オプションのアナログ入力ユニットを増設すれば、最大20チャンネルのアナログ信号の取り込みが可能となるなど、高い拡張性を備えている。さらに、試験機の軸心精度に関しては、ASTM規格 E1012に準拠した検査を製造過程で実施し、Class10の精度を確認しています。より垂直に試験片へ力を負荷することができる。
2. 正しい結果に導く操作性
タッチパネル液晶画面を備える新しいコントローラを導入し、様々な試験の設定が容易になった。装置が動作する際には、操作音でオペレーターに装置の状況を伝える。また、試験容量20kN以上のモデルには、つかみ具などの試験治具の接続にマルチジョイントを導入したことで、重量のあるジョイントの交換が不要になり、安全性と作業性を高める。
3. 装置の不具合を未然に防ぐ新機能
装置の状態をチェックする自己診断機能を新たに導入した。使用時間や操作ログを装置が自動で記録するとともに、部品交換が必要な時期を自動で通知する。また、誤操作による治具同士の衝突を防止する機能など、様々な機能が標準搭載されている。
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