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日本製鉄:次世代鋼製自動車に対応するソリューション技術を拡充

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図1 NSafe-AutoConceptで想定する車体向け鋼材の強度

日本製鉄は、2019年に発表した次世代鋼製自動車コンセプト“NSafe-AutoConcept(NSAC)”のソリューション開発を進化させている。

 NSACでは、大幅な軽量化や安全性向上を実現する次世代鋼製自動車の各部品に求められる性能を想定し、先進的な素材開発はもちろん、素材性能を最大限に引き出すための部品構造やその構造を具現化する加工技術の開発を進めてきた。現在、CASE、MaaSなど自動車を取り巻く環境が変化し、車体や部品に多様な機能が求められる中、日本製鉄は次世代鋼製自動車に対応するNSAC技術の適用範囲を拡大し、顧客を含めた社会的価値を創出する取り組みを強化している。

 日本製鉄は、車体への1470MPa級ハイテンや2.0GPa級ホットスタンプ材、シャシーへの980MPa級熱延ハイテン等の最大適用を中心とする鋼材の一層の高強度化と超ハイテン適用比率アップにより、アルミ車体同等の軽量化が可能と考えている(図1)。このような超ハイテンの適用においては、部品機能の向上、一体化によるコストダウンを実現する複雑形状の成形技術が同時に求められる。また、ホットスタンプ技術は、加工と同時に焼入れを行う成形手法に起因する低い生産性が課題であり、生産性向上技術が求められる。

 日本製鉄は、超ハイテンの成形技術課題に対して、NSACを構成する加工技術群(NSafe-Formシリーズ)の拡充を進めており、顧客先での実用化実績が増加している(図2~4)。本年4月19日に、市村清新技術財団より市村産業賞貢献賞を受賞した「自動車の進化を支える超高強度鋼板加工技術の開発」*1は、この“NSafe-Formシリーズ”の中核をなす技術である。また、ホットスタンプの生産性向上についても、日本製鉄はいち早く水を冷媒とする直水冷技術を開発した(図5)。生産性を約3倍に高め、生産コストを大幅に削減出来ることに加えて、金型表面への素材のめっき凝着を抑える効果を有する。ホットスタンプの適用拡大と合わせ、この技術の実用化が進んでいる。

図2 開発工法の適用対象部品
図3 成形困難な結合部形状
図4 開発工法による超高強度鋼板部品
図5 直水冷高生産ホットスタンプ技術

 部品構造開発の観点では、衝突CAEをフルに活用し、先進材料や新接合技術*2と組み合わせて、大幅な軽量化を実現する部品やモジュール構造提案を実施している(図6)。

図6 2.0GPaホットスタンプTWB構造によるセンターピラー軽量化技術

*1:「自動車の進化を支える超高強度鋼板加工技術の開発」
https://www.nipponsteel.com/news/20210312_100.html
*2:溶接金属へのアルミ混入に起因する継手強度低下課題に対し、当社独自のTWB溶接技術により継手強度を保証

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