IHI:出光・徳山事業所の既設設備を活用したアンモニアサプライチェーン構築の共同検討を開始
- 2021/06/28
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MotorFan編集部
IHIおよび出光興産は、出光興産徳山事業所においてアンモニアサプライチェーン構築に向けた検討に共同で取り組むことに、このたび合意した。本合意のもと、徳山事業所の貯蔵施設・石油化学装置などの既存設備を活用し、同事業所のアンモニア輸入基地化、既設ナフサ分解炉等でのアンモニア混焼実証を検討する。また、出光興産は海外からのブルー・グリーンアンモニアの輸入、コンビナート他近隣事業所へのアンモニア供給を検討する。
日本政府が2050年カーボンニュートラルの実現を宣言するなか、その具体策の一つとして水素・アンモニアによる水素キャリア・チェーン実現に向けた官民による取組みが加速している。製造時に排出されるCO2を回収・貯留したブルーアンモニアや、再生可能エネルギーを利用したグリーンアンモニアの製造については、海外においても調査・検討が開始された段階だ。輸入基地をはじめとした商業規模のサプライチェーン構築のための施設整備には中長期的な視点での検討が必要であり、より効率的に早期の実証を行うことが求められている。
出光興産は、昨年度、国土交通省のカーボンニュートラルポート検討会に徳山事業所やグループ製油所が参画するなど、水素・アンモニアサプライチェーン構築に向けた検討を進めると共に、海外からのブルー・グリーンアンモニア調達に向けた他社との協業を検討してきた。中でも徳山事業所は2014年に原油精製設備を停止し、石油化学原料の製造拠点として石油精製事業からの転換をいち早く完遂した。本年1月には従来比約30%の省エネルギー効果を発揮できる高効率ナフサ分解炉の稼働を開始し、更に2022年稼働予定のバイオマス発電所の建設等、脱炭素にむけた取り組みを加速させている。これらの取り組みは、石油精製事業で従来使用していたインフラを活用することで、効率的に実現している。
IHIはアンモニア燃焼に関する技術開発を2014年から推進しており、発電設備の燃料として石炭や天然ガスとアンモニアを混焼する技術開発で世界をリードしている。これまでに2,000kW級ガスタービンにおいて、液体アンモニアの70%混焼を世界で初めて達成していることに加え、今後、商用石炭火力発電所におけるアンモニア混焼の実証試験を行う予定だ。また、燃料アンモニアの社会実装を見据えて、国内外でアンモニアサプライチェーン構築に向けた検討を進めている。
両社はこれまでも徳山事業所の貯蔵設備などにおいて協業関係にあった。本合意により、出光興産は、徳山事業所が保有するそれら既存のインフラ設備を活かし、アンモニアサプライチェーン実証の検討や国内における許認可等の取得を行う。IHIは、アンモニア貯蔵・燃焼技術を活かし、アンモニア貯蔵設備・入出荷設備やアンモニア燃焼実証の検討を行う。
両社の強みを活かして、世界的にも先進的なアンモニアサプライチェーンを早期に実現することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。
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