中継ワイヤーハーネスが不要となり、部品点数や組み立て工数の削減に貢献 パナソニック:車載用の「基板対FPCコネクタ」の本格量産を開始
- 2019/07/10
- Motor Fan illustrated編集部
パナソニック インダストリアルソリューションズは、自動車の部品点数や組み立て工数の削減、車載LEDライトなどの意匠性向上に貢献する「基板対FPC(※1)コネクタ」(シリーズ名:CF1)の本格量産を2019年7月から開始する。
欧州や日本などにおける車載LEDライトの法改正に伴うDRL(※2)などの普及や、車室内インストルメントパネルなどの意匠性向上を背景に、車載向けFPCは今後の需要拡大が見込まれ、最近ではBMS(※3)などの配線接続用途にも広がりをみせている。このような中、パナソニックは、FPCと基板を直接接続できる独自構造のコネクタを製品化した。これまで接続時に必要だったワイヤーハーネス(※4)が不要となることで部品点数と組み立て工数を削減でき、自動車の軽量化、燃費向上への貢献も期待できる。
<特長>
1. FPCと基板を直接接続できる独自の金属端子接続構造によって中継ワイヤーハーネスが不要となり、部品点数と組み立て工数を削減
DRLやリアランプ、車室内のインストルメントパネル、シフトレバーなどにおいて高い意匠性を実現するため、FPCの使用機会が増加している。FPCと基板を接続する場合、中継ワイヤーハーネスを用いる方法やFPCと基板をはんだ付けする方法が主流だが、ワイヤーハーネスの重量増加や組み立ての作業性が悪いという課題があった。本製品は、FPCと基板を直接接続できる独自構造の採用によって中継ワイヤーハーネスが不要となり、部品点数と組み立て工数を削減できる。(図1 接続方法の比較)
2. ダブルクリップ接点構造により優れた耐振動性を実現、LEDライトやBMSなどの車載用途に対応
車載用コネクタには、厳しい振動条件をクリアすることが要求される。本製品は、金属端子であるプラグ(FPC側)とレセプタクル(基板側)を確実に挟み込む独自のダブリクリップ接点構造を採用することで、優れた耐振動性を実現。耐振動性が求められるLEDライトをはじめ、BMSの電池パックや基板の接続用FPCにも展開できる。(図2 コネクタの構造)
3. 慣性ロック構造によりコネクタの不完全嵌合を防止、高い信頼性を実現
本製品は、プラグ(FPC側)とレセプタクル(基板側)の2ピースタイプで簡単に接続できる。さらに、組み立て時におけるレセプタクルとプラグの不完全嵌合を防止できる慣性ロック構造を採用することで、高信頼性を実現する。
<用途>
DRL(ヘッドランプ)、リアランプ、サイドミラー、インストルメントパネル、シフトレバー、ステアリングスイッチ、BMS、カメラなどの配線接続
<発売地域>
グローバル
<基本仕様>
定格電流:2.0A以下/芯
定格電圧:50V DC
使用周囲温度:-40℃~+125℃
接触抵抗:20mΩ以下(初期)
絶縁抵抗:100MΩ以上
耐電圧:AC1000V 1分間
ハウジング保持力:30N以上(初期)
※1 FPC(Flexible Printed Circuits)
柔軟性のある回路基板。
※2 DRL(Daylight Running Lamps, Daytime Running Lights)
デイライトと呼ばれる。 日中でも点灯されるライト装置。
※3 BMS(Battery Management System)
リチウムイオン電池の電圧監視用システム。
※4 ワイヤーハーネス
電源供給や信号通信に用いられる複数の電線の集合(束)で、 自動車の車内配線などに用いられている。
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