花王:廃PETを用いた高耐久アスファルト改質剤を静岡県磐田市が採用
- 2021/03/22
- Motor Fan illustrated編集部
花王が開発した、廃PET(廃棄処分されるポリエチレンテレフタレート素材)を原料とするアスファルト改質剤「ニュートラック 5000」が、静岡県磐田市に採用され、2021年3月に市内の道路の改修に使用された。「ニュートラック 5000」の自治体公道での採用は今回が初めて。
「ニュートラック 5000」は、花王が2020年12月から展開しているアスファルト改質剤。廃PETを原料の一部に活用※1しながら、舗装に対してわずか1%配合することで舗装の耐久性を約5倍向上させるアスファルト改質剤。花王が行なった実験では、配合したアスファルト舗装の強度が増すことで、舗装からの粉塵の発生を80%抑えることが確認されている※2。
※1 100平方メートルあたり500mlペットボトル1430本相当を再利用
※2 60℃で30分間の水浸ホイールトラッキング試験
また「ニュートラック 5000」を添加したアスファルト舗装は従来と比較して、黒さがより長持ちすることも特長。見た目が美しく、新しい舗装という印象を与える効果が長期間続くことに加え、ドライバーから白線が確認しやすく、安全走行へ大きく寄与すると花王は訴求する。
その「ニュートラック 5000」が静岡県磐田市に採用され、市内のヤマハ発動機株式会社の施設入り口前の道路舗装に使用された。この道路は、大型トラックの通行量が多いため、舗装の劣化が顕著だったが、今回「ニュートラック 5000」のアスファルト改質効果によって舗装の耐久性、耐油性、耐水性が向上することで、修繕回数の低減と舗装ライフサイクルコストの削減が期待される。
花王と磐田市は、改修した道路の経年変化を確認しつつ、市内の道路への「ニュートラック 5000」採用を継続的に進めていく予定。さらに、磐田市が推し進める環境活動の一環として、市内から出る廃PETを回収して「ニュートラック 5000」の原料とする検討も協働して開始する。
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