アルプスアルパイン:福伸電機の次世代電動カート“POLCAR”が障害物検知ユニットを採用
- 2021/06/17
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MotorFan編集部
アルプスアルパインが業界に先駆けて開発した歩道走行用の障害物検知アルゴリズム活用の障害物検知ユニットが、電動カートメーカー大手の福伸電機より6月16日に販売開始された障害物検知機能付き電動カート“POLCAR [SPX-1] ”に採用された。
かねて高齢化が世界的な社会問題として取り上げられ、各国が対策に奔走する一方で、その明快な解決策は提示されないまま深刻化の一途をたどっている。この傾向がより顕著に表れている日本では、政府が人生100年時代構想を掲げ、増加する高齢者の学び直しや新たなチャレンジを促す仕組み、健康寿命を延ばす施策などについて継続した議論がなされている。高齢者がより活躍できる社会を実現するためには、高齢者の移動を促進することで地域内流動を活性化させ、生活の質を持続的に高めていくことが重要と言われている。
一方で、高齢化に伴う身体機能の低下は避けられず、高齢者による交通事故が増加していることから運転免許の早期返納の世論が高まっている。高齢者の自由な移動はむしろ制限される傾向にあると言える。バリアフリー化や公共機関・地域コミュニティ交通の拡充などさまざまな取り組みが行われているが、まだ十分な整備がなされておらず、高齢者が自立して自由に移動するための更なるインフラ整備や新たなモビリティによるサポートが欠かせない。
この課題解決に向けて、アルプスアルパインでは従来より高齢者の自由で自立した移動を支援する低速車向けの障害物検知ユニットを開発してきた。そしてこの度、福伸電機が開発した障害物検知機能付き電動カート“POLCAR [SPX-1] ”に採用が決定。同電動カートは福伸電機の代理店経由で6月16日より販売を開始している。
採用された障害物検知ユニットは、センサとデータ処理のためのコントローラを一体化したモジュール製品である。センサ部には、アクティブIRステレオカメラが利用されている。赤外線を照射することで、特徴点が少ない物体や視認性の低い暗闇の中など、通常のカメラでは検知が難しい環境においても正確に物体を把握することができる。さらにLiDARと比べてコストやサイズ、重量を抑えることができるとともに、一般的なTOFカメラ※1 の測距性能を上回る、電動カート向けに適した最大6mの範囲を検出可能なため、高いコストパフォーマンスを誇る。
また、業界に先駆けて独自開発した歩道走行用の障害物検知アルゴリズムにより、壁やフェンス、路上のブロックや段差、路面の穴や溝、法面のほか、電動カートによる事故多発の原因となる踏切の遮断桿も検出対象として捉えることが可能。天候の変化や日向・日陰の混在といったカメラ画像に影響を及ぼす光量の変化が大きい環境でも物体との距離やその形状を把握することができる。さらに白線や点字ブロックなど障害物として誤検出されやすい路面サインについては、AIを活用した画像認識により誤検出を軽減。電動カートのみならず、時速6kmまでの移動体であれば、本ユニットを搭載することで障害物検知によるさまざまなソリューションを実現することができる。
※1 Time-of-Flight カメラの略。光の飛行時間を利用して三次元情報を計測可能な単眼カメラ。一方、ステレオカメラは複眼により異なる方向から同時撮影し、その視差により物体との距離を測定する
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