アレコレ黒い、限定色。|トライアンフ・ボンネビルボバー ブラックはタイヤもトルクも極太!
- 2020/09/22
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MotorFan編集部 近田 茂
トライアンフらしいパワーユニットとして知られているバーチカルツイン。シリンダーを垂直に立てた水冷2気筒エンジンは、いずれも270°クランクの900ccと1,200ccが有り、最も充実したモダン・クラシックのカテゴリーを構築し現在10機種もの展開を誇る。その中でスタイリングも乗り味も異色な存在として侮れない注目を集めたのが、ボンネビル BOBBERである。今回は、さらにマッシブなデザインと、プレミアムなブラックアウト処理が施されたボンネビル BOBBER BLACKに試乗した。
REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●徳永 茂(TOKUNAGA Shigeru)
取材協力●トライアンフ モーターサイクル ジャパン
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トライアンフ・BONNEVILLE BOBBER BLACK.......1,815,600円
貫き通す図太い乗り味をソロで楽しむ贅沢!
足つき性チェック(身長168cm)
ディテール解説
◼️主要諸元◼️
⚫️試乗後の一言!
トライアンフ・BONNEVILLE BOBBER BLACK.......1,815,600円
トライアンフのホームページから引用すれば、「ダークさ、渋さ、力強さが一段とアップ」と記されている。BOBBERをベースに、さらに骨太感にこだわりを主張したスペシャルな仕上げで登場したのが同ブラック。何よりも注目すべきは前後16インチの極太タイヤの採用にある。しかもフロントフォークもφ47mmと太い。ちなみに装着タイヤはAVON製COBRAだ。
エンジン回りを始め、全体的にブラックアウトされた仕上げは、どこかワイルドな雰囲気。BOBBER同様アルミ製のフローティングシングルシートを採用。基本的に一人乗りと割り切ったデザインも潔く、とても個性的である。
一見クラシカルなリヤリジッドアクスルかと思えるフレームワークを見せるが、シート下にちょこんと覗くリヤショックにはリンク機構を持つモノショック・サスペンションを採用。
クランクケースもブラックアウトされた1,200ccのバーチカルツインエンジンは、大きく立派に露出されて見え、堂々たる雰囲気を醸しだしている。基本的にはボンネビルT120と同じだが、最高出力は少し抑えられ、そのかわり最大トルクを向上。
このスタイルにスポーツ性を求めるユーザーは稀な事だろうから、キャラクターに合わせた出力特性に、きちんとチューニングされているわけだ。
電子制御系は他のモデルと同様に最新の技術が投入されていて、RORDとRAINが選択できるライディンブモードを備える。ABSと切替式トラクションコントロールの他、BOBBER BLACKにはクルーズコントロールも標準装備されている。
貫き通す図太い乗り味をソロで楽しむ贅沢!
着座位置の低い鞍型シートに腰を落ち着け両手足を前方に伸ばして跨がる感覚は、アメリカン・クルーザー的な雰囲気。足つき性の良さは抜群で、200kgを超える車体を支える上でも不安感はない。
目線位置も低くめだが前方の空まで視界が大きく広がる乗り味は解放感に溢れている。周囲の美しい景観が自然と目に飛び込み、気分は何処か知らぬ土地をツーリングしているかの様に新鮮。そんな独自の雰囲気に包まれてくるのである。
しかも骨太のマッシブなフォルムは、普通のバイクとは異なるセンスが漂い、如何にも個性的。同時に己(オーナー)の世界観を主張しながら、その心地よさを満喫する自由な乗り味が楽しめるのだ。
ショーワ製のフロントフォークはφ47mmという太さ。これは巨漢の2.5Lモデル“ロケットⅢ”と同じサイズ。前後16インチホイールを採用し、まるで後輪タイヤを前輪に履かせてしまった様な極太タイヤを装着したスタイルはユニークかつドッシリと身構えた落ち着きがある。
しかもタイヤのグリップ力に対する頼り甲斐のある乗り味も安心感がある。制動能力もレベルが高く、いざと言う時にはガツンと一気に力一杯かける事にも、まるで不安が無い。躊躇なく掛けやすいメリットは侮れない。
エンジンはボンネビルT120とほぼ共通である。中低速を重視した出力特性が若干異なるが、6速トランスミッションや1次2次の減速比も共通。その出力特性は実用域で実にトルクフル。スロットルレスポンスも強力である。
アイドリングは1,000rpm。ローギヤで5,000rpm回した時のスピードは62km/h。6速トップギヤで100km/hクルージング時のエンジン回転数は3,250rpmだった。
実際はエンジンの回転数など気にも止まらず、どんな場面でも右手のスロットルをひと捻りすれば、いつも遅滞無く期待通りの逞しい加速力を発揮してくれる。コーナリングの立ち上がりでも、グイグイとダッシュできる気持ち良さがある。
キャラクター的にあまり深く倒し込んでコーナーを攻める様な走りはしないことと、太いタイヤのグリップ感から得られる安心感からか、繊細なスロットルコントロールが要求されない雰囲気を覚え、それは扱いやすく気楽な乗り味に貢献している。
サスペンションはストロークが少なめで、路面の荒れた所ではロードホールディグが不足気味。ドタバタとバネ下重量が重い感覚で跳ねてしまう事もあったが、それなりに速度を落とせば済む事だし、シートの座り心地はなかなか快適なものだった。
ちなみにこのバイクは一人乗り。骨太なスタイリングと独特な乗り味に自分のこだわりを乗せて走るのも、ライダーの趣味としてはまた乙なもの。そんなユニークなキャラクターに贅沢な魅力が感じられた。
足つき性チェック(身長168cm)
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