環境/社会/法規 NCAP New Car Assessment Program
- 2019/12/26
新型車を同じ条件で試験・計測し、その評価・採点を行う行為。現在ではおもに「衝突安全性能試験の情報公開」を指す。1979年に米国の政府機関であるNHTSA=National Highway Traffic Safety Administration(国家道路交通安全局)が正面衝突実験の結果を公表したのが始まり。これに続いたのがオーストラリアで、1993年から実施された。日本では1995年に国土交通省および自動車事故対策センター(現自動車事故対策機構)がJNCAP(国内呼称は自動車アセスメント)を開始した。欧州では1997年にユーロNCAPが始まる。2018年末現在、NCAPは韓国('99〜)、中国('06〜)、南米('10〜)、インド('17〜)でも行われているほか、米IIHS=Insurance Institute for Highway Safety(道路安全保険協会、'59年より実施、'95から採点評価導入)のように政府機関ではない非営利団体が実施している例もある。
NCAPの目的は、法規よりも厳しい条件で衝突試験を行い、その結果を一般に公表することで、より高いレベルの安全性確保へと自動車メーカーを導くことにある。近年、日米欧では将来の法規化を予定している試験方法および評価方向をまずNCAPで実施し、その結果を見ながら法規への導入スケジュールを検討する傾向も見られる。
情報公開の対象は実施主体によって異なる。前面・側面の衝突試験はすべてのNCAPで行われているが、このほか対歩行者接触試験、基本的なブレーキ性能試験、チャイルドレストレイント(チャイルドシートなど年少者用補助拘束具)、自動ブレーキなどADAS(Advanced driving assistance system=高度運転支援機能)関連といった項目が行われる場合もある。