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画期的!部分加熱を可能とする直接通電加熱技術 高周波熱錬〈ネツレン〉

  • 2018/02/25
  • Motor Fan illustrated編集部
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カット済みの鋼板に直接通電加熱を用いて加熱温度の異なる部位を縞状に分布させたのちにプレス加工、センターピラーの形状に仕立てたサンプル。色分けされた部分で硬度が異なるかたちとなっている(紺色部=450HV/灰色部=180HV)。

オートモーティブワールドでMFiが注目した技術について紹介する。まずは、熱処理を得意とする高周波熱錬株式会社が展示したDH(直接通電加熱)である。

その名の通り熱処理を得意とする同社が展示の目玉としてブースの中心に据えていたのが、直接通電加熱(DH)という手法を用いる高張力鋼板のホットスタンプ技術。一般的なホットスタンプが加熱炉を用いるのに対し、素材となる鋼板へ直接通電することで得られるジュール熱を利用することで、加熱時に必要とされるエネルギーの大幅低減を実現すると同時に、部位によって与える熱量をコントロールすることも可能にするというもの。

これにより成形された鋼板は部分的に焼き入れを施された状態となり、テーラードブランク材のような効果が期待できるということに加え、穴あけやスポット溶接の必要な部位を非硬化とすることで加工性の向上というメリットも見いだすことができる。

直接通電加熱によりフランジ部以外の部分を加熱し、フランジ部のみを焼き戻しをしないかたちとしたもの。主要部分に高い硬度を持たせながら、フランジ部では良好な溶接性を確保することが可能となる。焼き戻しが入っていない部分はパンチングによる穴あけも可能となるなどメリットは多岐にわたる。

部分加熱を鍵となるのはローラー状の移動式電極を用いる点で、これにより矩形(正方形や長方形)以外の鋼板で加熱が難しいという、従来の直接通電加熱に存在していた制約を取り払うことにも成功。高張力鋼板に必要不可欠とされるホットスタンプ工法のあり方を変えることはもちろん、鋼板という素材の活用方法を拡げるという意味でも興味深い技術だ。

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