国交省、第7・8回「車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方検討会」を開催 スキャンツールを用いた車検(OBD検査)、2021年10月1日以降の新車が対象、2024年10月1日より開始。ただし輸入車は1年遅れの方針がほぼ固まる
- 2019/02/06
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遠藤正賢
国土交通省は12月25日に第7回、1月22日に第8回の、スキャンツールを用いた車検(OBD検査)の導入を検討する「車載式故障診断装置を活用した自動車検査手法のあり方検討会」を、赤坂インターシティAIR(東京都港区)で開催。同検討会の最終報告書案と、検査開始までの準備計画案について審議した。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●遠藤正賢、国土交通省
まず、2021年10月1日以降生産の新型車(ニューモデルまたはフルモデルチェンジされた車両)をOBD検査の対象とし、2024年10月1日よりOBD検査を開始するという基本方針について、日本自動車輸入組合(JAIA)の要望を受け、輸入車については国産車より1年遅らせ、2022年10月1日以降生産の新型車を対象とし、OBD検査を開始するのは2025年10月1日からとされた。
また、実際のOBD検査で車検対象車の合否判定を行うのに用いる「法定スキャンツール」の定義を追記したほか、法定スキャンツールの年次検査とその必要性を今後調査・検討するとした案を追加している。
最終報告書の確定版は1ヵ月間のパブリックコメント募集を経て、2月末~3月頃に公表される見通し。
続いて、検査開始までの準備計画案について説明。2024年10月頃のOBD検査開始前にプレテストを1年間実施するほか、法令・通達改正は早くとも今夏頃より、できあがったものから順次実施。自動車技術総合機構に設けられる専用のサーバーは2021年末頃に運用開始し、法定スキャンツールの認定もそれに合わせて開始する方針が述べられた。
それを受けて、スキャンツールなど自動車整備用機器のメーカーで構成される日本自動車機械器具工業会(自機工)から、法定スキャンツール開発のために必要な情報(自動車技術総合機構が提供するOBD検査用アプリ、自動車メーカーの特定DTC(車検不適合となる故障コード)情報など)が得られなければ開発がスタートできないので、開示時期を明示してほしいという要望が上がり、フォローアップ会議で早々に議論することなった。
また、自動車技術総合機構からは、「車検証の電子化についても2022年度に導入する方向で検討が進んでいるので、各機関・情報と機構サーバーとの連携をもれなく行いたい」との意向が示されている。
国土交通省自動車局整備課の平井隆志課長は会合の最後に、「先進安全技術のシステムは、壊れた時には事故に近い状況であることが多い。これを定期的に検査する制度は、国民の安全を守るために必要なもの。ユーザー視点に立って議論してもらえたことに御礼申し上げる。これからが始まりなので、確実に運用できるシステムを作り、体制を整えるため、今後もご協力いただきたい」と、同検討会委員への謝意を述べるとともに、今後のOBD検査導入に向けた実務への協力を呼びかけている。
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