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旭ファイバーグラス、東京理科大学、滋賀県立大学と共同開発 出光興産:ガラス代替を狙える透明なポリカーボネート「タフロン 高強度・高透明GF-PC複合材料」【人とくるまのテクノロジー展2019名古屋】

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「タフロン 高強度・高透明GF-PC複合材料」を用いたパネル(右)と従来品(左)との比較。従来品はその向こう側にあるぬいぐるみがほとんど見えないのに対し、高透明GF-PCはほぼそのまま視認できる

石油元売り大手の出光興産は、7月17~19日にポートメッセなごや(愛知県名古屋市)で開催された「人とくるまのテクノロジー展2019名古屋」(主催:自動車技術会)に出展。開発中の材料として、同社のポリカーボネート樹脂(PC)「タフロン」を用いた「高強度・高透明GF-PC複合材料」を出品した。

PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)

従来のGF-PCと高透明GF-PCとの光学特性比較図および透明度比較写真

 出光は1957年よりPCの研究に着手し、69年には「タフロン」の商業生産を開始。PC材料の製造に関しては、すでに半世紀もの歴史を持つことになる。

 その用途は、光ディスクをはじめとして、自動車用ヘッドランプにバイクの風防、ヘルメットのシールドに、高速道路の防音板、カーポートやアーケードの屋根材などと幅広く、自動車業界関係者ならずとも身近な存在と言えるだろう。

 出光ではそのPCにガラス短繊維(GF)を配合し、強度・剛性を高めるとともに熱伝導率を大幅に下げた「GF-PC」を設定しているが、GFとPCとで光の屈折率が異なるため、GFとPCの界面で光が散乱し不透明になるのが課題だった。

ガラス、PC、従来のGF-PCと高透明GF-PCとの物性比較

 そこで、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「高強度・高透明GF-PC複合材料の開発」において、ガラス繊維メーカーの旭ファイバーグラス、東京理科大学、滋賀県立大学と、この課題を解決する材料を共同開発。GFとPCの屈折率をほぼ一致させることで、透明かつGF-PCの高強度・高剛性・低熱伝導率を兼ね備えた、新たな「タフロン」を実用化する目途を立てている。

 なお、出光ではこの新たな「タフロン」を、「ガラスより軽量かつ断熱性が高く、成形自由度も高い代替品として、自動車のみならず航空機や建築用途にも提案していきたい」としている。

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