「イーランナーULP1」と「イーランナーULD1」は奥山清行氏率いるKEN OKUYAMA DESIGNがデザインを担当 タジマEVの48Vモビリティ4台とパワーユニット&リユースバッテリーが一斉披露!【東京モーターショー2019】
- 2019/11/11
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遠藤正賢
東京モーターショー2019で青海展示棟Bホールにブースを構えた、「モンスター田嶋」こと田嶋伸博氏が代表を務めるタジマモーターコーポレーションは、そのEV関連事業子会社「タジマEV」が開発した48Vモビリティ4台と、各車に搭載される48Vパワーユニットおよびリユースバッテリーパックの実車・実機を展示した。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢/タジマEV
これらの概要は2018年12月14日、東京大学 堀・藤本研究室とタジマEVによる共同研究の成果報告会において、6輪ハイパーEV「モンスター・イーランナー・コード6」とともに公表されていたが、今回の東京モーターショーでは「モンスター・イーランナー・コード6」以外の実車・実機が一般公開された。
中でも注目を集めていたのはやはり、奥山清行氏率いるKEN OKUYAMA DESIGNがデザインした4人乗り超小型モビリティ「イーランナーULP1」と、その1人乗りデリバリー仕様「イーランナーULD1」だろう。
「イーランナーULP1」は、全長×全幅×全高=2495×1295×1765mmという超小型モビリティ規格に収まるコンパクトなボディサイズに、流麗かつ近未来的で広大なガラスエリアを持つエクステリアと、大人4人が乗車可能な空間を構築。
これに、モーターとインバーター、充電器とDC-DCコンバータを統合しモジュール化することで機器間の大電流配線ケーブルを省略、電力ロス低減と小型軽量化を図った「低速車両用統合型48Vパワーユニット」1基と、4Rエナジー社のリユースバッテリー(リチウムイオン式)を用いた「EVバッテリーパック48V」1基を搭載。最高出力18kW、最大トルク730Nmを発揮し最高速度は60km/h、バッテリー容量は10.24kWhで、100kmの航続距離を確保した。充電時間は100Vで7時間とされている。
「イーランナーULD1」も寸法や動力性能に関するスペックは共通だが、運転席以外のシートは取り払われ、全て荷室とされているのが大きな違い。側面のドアが観音開きなうえ全高も1765mmと高いため、荷物を出し入れしやすく積載能力も高いことが、展示車両からうかがえた。
「イーランナーGSM6」は、国土交通省が提唱する観光地や過疎集落での人員輸送を目的とした、20km/h未満で公道走行可能な4人乗り以上のパブリックモビリティ「グリーンスローモビリティ」規格に適合。全長×全幅×全高=3390×1400×1500mmの軽自動車サイズに、3列6人乗りシートと6枚のドアを備えることで、どの座席からでもスムーズに乗り降りできるよう配慮している。
搭載する「低速車両用統合型48Vパワーユニット」は1基だが、「EVバッテリーパック48V」を2基とすることで、航続距離100kmを確保。充電時間は200Vで7時間となる。
「イーランナーEMB23」はこれら3台とは大きく異なり、全長×全幅×全高=6970×2310×2310mmの大柄なボディを持つ電動マイクロバス。乗車定員もドライバー1人+乗客22人と、住宅街の中を走る小型路線バスとしては充分な水準だ。
「低速車両用統合型48Vパワーユニット」は2基、「EVバッテリーパック48V」は4基搭載され、航続距離は100km、最高速度は60km/h。充電時間は200Vで10時間となっている。
60km/hの速度域で一般道に限定して走行するのであれば、低コストかつ低電圧で安全性が高く、かつメンテナンスする自動車整備工場にとっても、整備士に対する低圧電気取扱業務特別教育の受講義務が発生しない、48VのEVシステムを採用した方がメリットは多い。
加えて、パワーユニットとバッテリーパックをモジュール化のうえ多くの車種で共用しつつ、リチウムイオンバッテリーにリユース品を用いれば、さらなるコストダウンも可能になる。
発売時期や価格などの詳細はまだ明らかにされていないが、これらの48Vモビリティが手に届きやすい、毎日の足として気軽に使えるものになることを願ってやまない。
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