ZFジャパン、自動運転や電動化に向けた先端技術・製品を公開
- 2019/11/26
- Motor Fan illustrated編集部
ZFジャパンは、日本の自動車メーカー向けに同社の最新技術に関するデモンストレーションを富士スピードウェイで行った。
2017年11月に続き2度目となった「Vision Zero Days Japan」試乗会では、将来の自動運転車両の基礎になる技術である「フライングカーペット2.0」シャシコンセプトを搭載したプロトタイプ(試作)車両を日本で初公開した。また、電動化をはじめ、自動運転や統合安全に関するZFの最先端ソリューションを搭載した量産車・試作車の試乗や関連の技術展示も実施した。
「フライングカーペット2.0」は、ZFの「sMOTION」フルアクティブ・ダンピング・システムを核に、「AKC(Active Kinematic Control)」アクティブ・リヤステアリング・システム、ステア・バイワイヤー・パワーステアリングと「IBC(Integrated Brake Control)」アクティブ・ブレーキシステムをインテリジェントに統合している。車体の動きを事前に検知し、緩和する動作を行うことで路面のでこぼこ、急カーブ、急ブレーキなどによる衝撃を和らげるように作動する。こうした技術は、乗員の安全性や快適性確保のため、運転の自動化が進むにつれて必要不可欠なものになるとZFは考えている。
国内の大手自動車メーカーが参加した同イベントでは、ZFの電動化技術を搭載した市販車の試乗も行った。先ごろ欧州のプレミアムブランドから発売された初の完全電動モデル(EV)や、ZFの電動アクスルをリヤに装備したコンパクトSUV、8速オートマチックトランスミッション「8HP」にモーターを組込んだプラグインハイブリッドセダンなど、市販されているモデルの試乗車が用意された。
同イベントでは、試作車の試乗も行った。「CeTrax lite」小型商用車向け電動セントラルドライブを搭載して完全電動化した車両総重量5トンのトラックは、日本固有のニーズを満たすため横浜市にあるジャパンテックセンター(JTC)が、ドイツにある本社と連携しながら開発したものだ。「CeTrax lite」は、最高出力150kW、最大トルク380Nmを発生し、このクラスの内燃機関ユニットと同等の走行性能を確保してる。同時に、コンビニエンスストアへの深夜配送や狭い路地を走行するケースの多い宅配便などでの使用を念頭に、静粛性、局所的ゼロエミッションと走行性能を高いレベルで両立させている。
そのほか、ZFの「SDC(Selective Damping Control)」周波数感応式ダンパーや電動パワーステアリング、「統合型ブレーキ・コントロール(IBC)」がそれぞれ搭載された試作車を用意し、比較を含む試乗も行った。こうした製品の車両搭載およびセッティングもZFジャパンが日本国内で行った。
2017年に設立されたJTCは、本社のあるドイツを含めZFがグローバルに開発した製品・技術を日本の自動車メーカーの要望に合わせて最適化する役割を担っている。例えば、性能面と車両の生産性に妥協することなく、より小さなスペースに搭載するなど、お客さま固有のニーズに応えるための設計変更などにおよそ300名のエンジニアが従事している。
11月18日から22日まで5日間にわたって行われた「Vision Zero Days Japan」試乗会には、国内自動車メーカー9社からおよそ250名が参加した。ZFは、このイベントで披露した自動運転、電動化、統合安全、車体の動作制御という4つの領域における技術開発に注力し、各市場のニーズに合わせた最先端技術を乗用車だけでなく商用車や産業機器にも提供している。統合ソリューションプロバイダーとしてZFは安全、快適で環境に優しい次世代のモビリティ(「Next Generation Mobility」)の実現をサポートしていく。
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