ZF:モビリティサービスプロバイダーへの進化を目的にマイクロソフト社と提携
- 2019/12/24
- Motor Fan illustrated編集部
ZFはソフトウェア開発の強化を目的として、マイクロソフト社と提携したことを発表した。
今後は、ソフトウェア開発のスピードとクオリティを、IT企業の水準まで引き上げていく。ソフトウェア主導のモビリティサービスプロバイダーへと進化することで、ZFはグローバルなリソースを効率よく活用し、変化する顧客のニーズにさらに適切に対応できるようになる。マイクロソフト社との提携によって、同社がこれまで培ってきたソフトウェア開発のノウハウに加え、Azureクラウドサービスや開発ツールを活用することができる。ZFは、自動車業界にソフトウェアソリューションを提供する企業へと進化していく。
「将来的には、ソフトウェアが高度な自動運転機能実現のための鍵を握るなど、自動車用システム開発における最も重要な要素の一つとなるでしょう。マイクロソフト社との提携によって、ZFはソフトウェアの車両システムへの統合を加速させることができます。これは、ソフトウェアのアップデートに迅速さを要求する当社のお客さまにとって大きなメリットとなります。さらに今後は、ハードウェアの完成前にソフトウェアの開発を行う必要が出てくると考えられるため、サプライヤーのこうしたスピード感の重要性は増していくでしょう」と、ZFで研究開発を担当するディルク・ヴァリザ―博士は述べている。ZFは今回の提携によって、自動車業界における膨大なノウハウに、ソフトウェア開発のスピードというアドバンテージを得ることができる。
「デジタル化に関するノウハウは、自動車関連企業が成長し、競合他社と差別化するための鍵になるでしょう。開発チームと運用チームが連携してシステム開発を行うことで、迅速かつ継続的にサービスを提供するDevOpsという概念があります。マイクロソフトはDevOpsに関する知見を提供することで、ZFがソフトウェア主導のモビリティサービスプロバイダーに成長するためのサポートを行います」と、マイクロソフトのオートモーティブ・インダストリー担当ジェネラル・マネージャー、サンジェイ・ラヴィ氏は語っている。
cubiX: 未来のシャシ
CES2020で、ZFは「cubiX」に基づいたソフトウェア開発に関する展示を行う。「cubeX」は、車両全体に備えられたセンサーから送られる情報を集約し、シャシやステアリング、ブレーキおよび駆動に関するアクティブシステムを最適に制御するためのソフトウェア。供給元に依存しないアプローチの採用で、cubiXはZFだけでなくサードパーティー製のコンポーネンツもサポートする。
「cubiXはソフトウェアによってシャシ機能をネットワーク化します。電動パワーステアリングやアクティブ・リヤステアリング、『sMOTION』アクティブ・ダンピング・システム、ドライブラインコントロールや統合ブレーキコントロールなど複数のシステムを結ぶことで、cubeXは車両の挙動を適正に中央制御することを可能にします。車両制御のレベルを引き上げるとともに、悪いコンディション下や緊急時などにおける安全性も向上させることができます」と、ヴァリザ―博士は述べている。ZFは複数の顧客とのプロジェクトを2020年に開始し、2023年からcubiXをシステムとして、またはソフトウェア単位で提供する計画だ。
これ以外にもZFは、センサー類、コンピューター、ソフトウェアやアクチュエーターなど、自動運転に関連するシステムをCESにおいて披露する。レベル2+のシステムが、乗用車をさらに安全で快適なプライベートな移動手段に進化させる。ロボタクシーなどの新しいモビリティソリューションも、ZFのレベル4/5システムによって安全な稼働が実現されるだろう。 「セーフ・ヒューマン・インターアクション・コックピット(SHIC)」などの革新的な安全システムも展示される。さらに、新しい機能やさらに高度なモビリティを提供する、AIを活用した革新的なソフトウェアも披露する予定。
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