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アルミテープ、三たび。——開発者に直接訊きにいく。試乗で生じた疑念は晴れるか。

  • 2020/01/04
  • Motor Fan illustrated編集部
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何故効くのか。何処に効くのか。MFi126号の特集「 空気を読め ! 」での輸入車4台での実験を踏まえ 、オカルト説を打破するべく、 開発者へのインタビューを敢行した。
TEXT:三浦祥兒(MIURA Shoji) PHOTO:高橋 学(TAKAHASHI Manabu)/市 健治(ICHI Kenji) FIGURE:萬澤琴美(MANZAWA Kotomi)
*本記事は2017年4月に執筆したものです。現在とは異なる場合があります。

アルミテープ再び——オカルトか実効パーツか。謎が謎を呼ぶ「空力パーツ」の効能を4台で確認

 フォルクスワーゲン・パサート、プジョー308、ルノー・カングー、アバルト124スパイダーという、ボディスタイルもパワート...

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トヨタ自動車 先進技術開発カンパニー 車両技術開発部 動的性能技術開発室 主幹 山田浩史氏(肩書は取材当時)
 東京は文京区水道橋のトヨタ東京本社を訪れると、アルミテープの仕掛け人であり、空力&操安の開発と実験を担当される山田浩史さんが待ち構えていた。

「空力特集、読ませていただきました」

 前回の特集では、空力にかこつけてアルミテープの効能を性格がバラバラの4台で試して見た。そこで体感した現象について推論を交えながら感想を認めたわけだが、あくまで一般ドライバーの感想文である。内容が的を射ているかどうかはかなり怪しい。ましてや当の開発者が読んだとなれば、これはMFiの沽券に関わる。だから手始めに恐る恐る、効果が最もハッキリと出たVW・パサートについて、筆者の感想をどう解釈するか、山田さんに尋ねてみた。

実験に使った4車のなかで、アルミテープの効果が最も大きかったVWパサートについて山田さんは「おそらく電装パーツの影響でボディの帯電量が大きかったせい」と述べた。欧州車特にVWで顕著に見られる傾向だという。横風で姿勢がなかなか収束しない点については「セダンボディでリヤの側面積が小さいため、前から来る空気による復元力が小さいから」。それが大きなカングーやプジョーではリヤを軸に姿勢の乱れが収まることも一編に説明がついた。

「横風に対する復元力が少ない、という件はボディ形状に因るところも大きいと思います。一般論として、3BOXセダンは2BOX形状より横風に弱い傾向にあります」
「横風を受けると車体が進路に対して斜めになりますよね。その時前から来る空気の流れがボディの後部に当たって、これが復元力になるのです。2BOXは風力中心より後ろの側部面積が大きいのに対し、ルーフが前で切れてトランクに落ちてくるセダンはそこが少ないため、復元力が少ないわけです」

 言われてみれば瞬く間に腑に落ちる。流石空力スペシャリストだ。だが、続いた山田さんの言に引っかかった。

「アルミテープでフロントの落ち着きがしっかりと出たというのは、電装部品などによるフロントまわりのボディ帯電があったのかもしれません」

 電装品と空力。いよいよ核心に迫ってきた。

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