コンチネンタル:LiDAR技術のポートフォリオを拡充 世界初の量産型ソリッドステート式LiDARを実現
- 2020/11/04
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MotorFan編集部
コンチネンタルは、LiDARのパイオニア企業であるAEye, Inc.への部分出資を通じLiDARセンサーのポートフォリオを強化すると発表した。
LiDARセンサーは、カメラやレーダーと並んで自動運転の鍵となる技術で、コンチネンタルにはこの分野だけで20年以上の経験を有している。米国カリフォルニア州ダブリンに本社を置くAEyeは、増幅可能な1550nmレーザーに特許取得のフィードバック制御MEMS(微小電気機械システム)スキャナーを組み合わせた長距離LiDAR技術を開発した企業だ。
AEyeのLiDAR技術はソフトウェアによる設定が可能で、メーカー毎やアプリケーションに合わせて最適化が可能。また、高い動的空間分解能と長距離検知を兼ね備えているため、乗用車にも商用車にも最大限に活用可能だ。300メートル以上先にある車両や、200メートル以上先の歩行者を検知できる上、小さくて反射の少ないレンガのような物体でも複数の測定点で160メートル先から検知する能力を持つ。この能力は、乗用車でも商用車でも自動運転には欠かせない。コンチネンタルは、このLiDAR技術を活用し、車載センサーを実現する。初の量産時期については、今のところ2024年末の予定。
AEyeとの提携には、既存の短距離3Dフラッシュ型LiDAR技術を補完する狙いがある。このLiDARは、今年末に量産に入り、世界的な高級車の高度自動運転をサポートすることになる。
この高解像度3Dフラッシュ型LiDAR(HFL)の量産開始は大きな意味をもっている。これは、世界の自動車市場で初めて量産に入る高解像度ソリッドステート式LiDARセンサーなのだ。
コンチネンタルのADAS (高度運転支援システム) 事業部長フランク・ペッツニック氏(Frank Petznick)は今回の提携について次のように説明する。
「最適な短距離LiDAR技術と世界トップレベルの長距離LiDAR技術がそれぞれの長所を生かして融合されることになります。最先端のLiDARセンサー技術で車両の周囲環境全体をカバーし、乗用車・商用車の両方でSAEレベル3以上の自動運転を実現していく流れの中で、これは両社にとって非常に強みになります」
AEye Inc.のCEOブレア・ラコルテ氏 (Blair LaCorte) は、コンチネンタルの出資を歓迎している。
「ADASソリューションを実現するためには、目的に合った性能、スケーラビリティ、パッケージ化、そして信頼性・安全性の長期確保が必要になります。その点、コンチネンタル社は、自動車センシング技術の分野でも自動車製品の産業化・製品化の分野でもリーダー的存在です。コンチネンタル社のチームと一丸となってAEyeのスケーラブルなモジュール型設計をカスタマイズし、そうして生まれたコンチネンタル社の高性能長距離LiDARシステムを世界大手の自動車メーカーに供給できる日を楽しみにしています」
真価が問われる商用車アプリケーション
AD SAEレベル3以上の自動運転車は、車両周囲の物体や軌道候補の検知のために、カメラ、レーダー、LiDARを含むセンサー一式を必要とする。LiDARセンサーの強みは、高解像度の3Dピクセルレベルの確実な検知性能だ。
コンチネンタルは車載用LiDAR技術をカスタマイズし、短距離センシングと長距離センシングの両方を実現している。短距離では、3Dフラッシュ型LiDAR技術により、1データフレーム当たり1回のパルスでシーン全体を照射・捕捉し、超高速かつ高精度で3Dイメージを取得する(グローバルシャッター技術)。長距離では、アジャイル型の1550nm LiDAR技術により、ソフトウェア設定可能なHD解像度(1平方度当たり1600点以上)と300メートルを超える検知距離で物体を確実に検知する。特許取得のMEMSをベースにしたAEyeのLiDARは、ソリッドステート方式の高い信頼性を備えつつ、悪天候下や悪条件の道路上でも性能が低下することはない。
大型で制動距離が長い商用車においては、安全な自動運転の実現において特有の難しさがある。商用車を自動化する場合、自動意思決定や自動対応の処理に十分な時間を確保するため、最大限のセンサー距離と解像度が求められる。
「環境センサー3分野すべての最新技術を統合すると、自動車メーカーにとって有益なシナジー効果を生み出すことができます」とペッツニック氏は話す。「コンチネンタルには、この3つのセンサー技術の分野とソフトウェア開発の分野における膨大な専門知識があります。1550nm MEMS LiDAR技術を手に入れることは、当社のセンサー戦略における新たな一歩です」
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