デンソー:トヨタ新型MIRAI向けにSiCパワー半導体を量産化
- 2020/12/11
- Motor Fan illustrated編集部

デンソーは、低炭素社会を実現する高品質なSiC(シリコンカーバイド)パワー半導体を搭載した次期型昇圧用パワーモジュール*1の量産を開始した。この製品は、2020年12月9日に販売を開始した、TOYOTA新型MIRAIに採用されている。
デンソーは、これまで、SiCパワー半導体(ダイオード、トランジスタ)を車載用途に適応させるため、SiC技術「REVOSIC(レボシック)*2」の研究開発に取り組んできた。SiCとは、半導体の材料で、従来のSi(シリコン)よりも、高温、高周波、高電圧環境での性能が優れていることから、システムの電力損失低減、小型化、軽量化に大きく貢献し、電動化を加速させるキーデバイスの材料として注目されている。デンソーは、2014年に、SiCトランジスタをオーディオ向けに実用化し、その後、2018年に、車載用SiCダイオードが燃料電池バス(TOYOTA SORA)に採用された。
今回、新たに車載用SiCトランジスタを開発したことで、デンソーとして初めて、SiCトランジスタとSiCダイオードの双方が車載に搭載される。特に、新たに開発したSiCトランジスタは、トレンチゲート型を採用したデンソー独自の構造や加工技術により、厳しい車載環境下で求められる高信頼性と高性能を両立させている。このSiCパワー半導体(ダイオード、トランジスタ)搭載の次期型昇圧用パワーモジュールと、従来のSiパワー半導体搭載製品を比較すると、体積は約30%削減、電力損失は約70%低減し、昇圧用パワーモジュールの小型化と車両燃費の向上に貢献している。



*1 昇圧用パワーモジュールとは、入力電圧より高い電圧を出力するために、搭載した複数のSiCパワー半導体を駆動する製品。
*2 REVOSICとは、高品質と低損失を実現するデンソーのSiC技術の総称。革新的なSiC技術で社会に「変革」を促すことを目指してREVOSICと名付けた。業界最高品質(超低欠陥)を誇るウエハから高効率を実現したパワーモジュールまで総合的な技術開発を進めている。
|
|

自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費が劇...
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形往復...

日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に洗練...
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこそ光...
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4とリフ...
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計ってみた...
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chapter2...

マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善手法...

マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエンジン...

ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態

林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えてくだ...

マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレインだ...
3分でわかる! クルマとバイクのテクノロジー超簡単解説

3分でわかる! スーパーカブのエンジンが壊れない理由……のひとつ...

3分でわかる! マツダのSKYACTIV-X(スカイアクティブ-X)ってな...

スーパーカブとクロスカブの運転が楽しいのは自動遠心クラッチ付...

ホンダCB1100の並列4気筒にはなぜV8のようなドロドロ感があるのか...

ホンダ・シビック タイプRの謎、4気筒なのになぜマフラーが3本?
