NEC:AIの活用によりネットワークのインテリジェントな制御を実現するRICをNTTドコモと共同開発
- 2021/06/23
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MotorFan編集部

NECは、NTTドコモと、RAN(Radio Access Network)のインテリジェント化を実現するRIC(RAN Intelligent Controller)を共同で開発している。両社はRICの活用により、RANの運用コスト削減や性能向上、消費電力削減などを目指しているが、NECはこうしたRICの可能性を紹介するデモを「MWC Barcelona 2021」のオンライン展示として公開した。
O-RANフロントホールインタフェース仕様(※1)に準拠した装置は、異なるベンダー間でも接続が可能であるとともに多様なユースケースや回線構築のニーズに応じた最適かつ柔軟なネットワークの構築が可能。さらに、AIを活用したRICによるインテリジェントな制御を導入することで、ネットワークをより高度化することが可能になる。
両社が開発を進めるRICにおいては、初期の取り組みとして基地局設定の自動化など主にRANの運用コスト削減に向けた活用を実現していく。さらに次のステップとして無線リソースを自動的・自律的に最適化することでRANの性能向上を図り、ネットワーク機器の消費電力の削減などを実現していく。
将来的には、制御周期を低速制御から高速制御へ、基地局単位からユーザ単位の制御へと段階的に高度化するとともに無線リソースとコンピューティングリソースなど異なる要素の制御を連動させた最適化が行われる。超高速・大容量、超低遅延・高信頼、同時多接続の特性の最適化を行い、ネットワークのさらなる高度化を進めて多様なサービスを実現し、新たな価値の創造が目指される。
NECは、RIC機能を含めたOpen RANアーキテクチャのSMO(Service Management and Orchestration)フレームワークを網羅する、Open RANドメインオーケストレーションソリューションを提供していく。このソリューションは、国内外で実績豊富なNEC子会社のNetcracker TechnologyのDigital OSS(運用支援システム)の技術を活用しており、RAN領域の計画・設計・設定・監視および最適化までのすべての運用業務を完全に自動化するために必要な、オーケストレーション、運用管理、および分析の各種機能を統合するもの。ネットワークオペレータがRAN領域の運用に必要な各種情報を一元的に統合し、ネットワーク状況を可視化することで、障害などの予兆分析を含む分析プロセスの最適化やリソースの最適化などを通じた、RAN領域のビジネスKPIの改善に貢献する。
両社は2018年から共同でOpen RAN の技術検証、実証実験など行い、その普及促進に取り組んでいる。また、2020年6月にはNTTとNECは資本業務提携を行い、その一環としてOpen RAN仕様の更なる普及促進を含めた5Gおよびその先を見据えた新たな国際競争力のある製品の開発および販売を目指している。
「MWC Barcelona 2021」オンライン展示概要

NECはRICの機能を紹介するデモをオンラインで公開する。このデモは、5Gを高度化するための重要な要素技術であるMassive MIMO(※2)にRICを適用し、自動的にビーム構成を最適化することで、ユーザのスループットの向上と消費電力の削減が実現できることを動画で示す。
・デモの名称:AI活用マッシブMIMOによるエネルギー効率の最適化
※1 「O-RAN Alliance」(Open Radio Access Network Alliance)で策定された基地局装置の親局と無線子局の間をつなぐオープンインタフェース
※2 MIMO(マイモ:Multipul Input Multipul Output)を高度化した一技術であり、多数の独立したトランシーバの自由度を活かし、空間多重と無線伝搬路の品質安定性を同時に向上する技術。5Gにおいては4Gの直交周波数多重・時分割多重に加え、空間多重による更なる周波数利用効率向上を目指して開発・導入された。
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