登場は2019年。レンジエクステンダーで復活する?マツダのロータリー SKYACTIV-X(スカイアクティブX)で語られなかったレンジエクステンダー用ロータリーエンジン
- 2017/08/09
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Motor Fan illustrated編集部 鈴木慎一
8月8日の「マツダ技術開発長期ビジョン説明会」でスカイアクティブXが高らかに宣言されたが、ここでは、語られなかったエンジンがある。そう、マツダのコア技術のひとつである「ロータリーエンジン」だ。
マツダがロータリーエンジンについて、メディアに情報を公開したのは、おそらく2013年12月が最後だったと思う。次が、東京モーターショーに出展された「RX-VISION」に新世代ロータリーエンジンの「SKYACTIV-R」(スカイアクティブR)
を搭載すると発表した2015年。このときは、エンジンについては、なんの詳細も情報は出なかった。
RX-VISIONのSKYACTIV-R(スカイアクティブR)については、今回もなにも触れられていない(説明会は質疑応答の時間が設けられなかった)。
しかし、2019年に「BATTERY EV(with or without Range Extender)」を市場導入することは発表された。おそらく、このRange Extender用のエンジンがロータリーエンジンになるのだと推測できる。
2013年12月にデミオのレンジエクステンダーに搭載していたのは、それ用に開発された単室容積330cc、圧縮比10.0、単体重量35kg、最高出力25kW/4500rpm、最大トルク47Nmというスペックの1ローターエンジンだった。
許容最高回転数は最高出力を発揮する4500rpmだが、実際には1500〜4000rpmの間で運転される。
レンジエクステンダー用のロータリーエンジンはAVL/アイディに先例があるが、コンパクトで比出力が大きく低振動というロータリーエンジンのメリットが活かせるのが採用するモチベーションになる。
つまり、ロータリーエンジンは、レンジエクステンダーに搭載してこそメリットがある、と言える。
実際、BMW i3のレンジエクステンダーが積む647ccの直列2気筒エンジンは、エンジンが始動すると音も振動も大きく、あたかも屋台の発電機エンジンのようで少々がっかりする。シリーズハイブリッドの日産ノートe-POWERも、フルに発電しなければ追いつかないような状況では、1.2ℓ3気筒エンジンは、けっして静か・スムーズとは言えない。
これがロータリーだったら、レンジエクステンダーEVで大きなアドバンテージがあるだろうと容易に想像できる。
通常のレシプロエンジンに比べて熱効率の点で不利なロータリーエンジンだが、最高効率点で定常運転すれば、その弱点も克服できるのかもしれない。
ここで、デミオEV レンジエクステンダーの試乗レポートを再録する。果たして、ロータリーを積んだレンジエクステンダーは、アリ、なのか?
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