「TOKYO CONNECTED LAB(トーキョーコネクテッドラボ)2017」で日産自動車総合研究所の土井三宏所長が講演 日産IMxが「Nissan Intelligent Mobilityが目指すクルマ、人、社会の新しい関係」を体現!?【東京モーターショー2017】
- 2017/10/26
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遠藤正賢
東京ビッグサイトでプレスデーが始まった「第45回東京モーターショー2017」で、日産自動車は西4ホールの主催者展示コーナー「TOKYO CONNECTED LAB(トーキョーコネクテッドラボ)2017」にもブースを構えている。
プレスデー2日目となる10月26日、日産は同ブースでプレスブリーフィングを実施。先行開発を担当する同社総合研究所の土井三宏所長が、「Nissan Intelligent Mobilityが目指すクルマ、人、社会の新しい関係」と題したプレゼンテーションを行った。
土井所長によれば、「クルマは長年、エネルギー問題や地球温暖化、渋滞や交通事故といった負の側面を解消すべく進化を続けてきたが、最近はポジティブな進化へ節目が変わった」という。
具体的に日産では、「インテリジェントドライビング」(安心して意のままになるドライビング)、「インテリジェントパワー」(走りの快感)、「インテリジェントインテグレーション」(常に社会とつながる便利さ)の3つを柱とする「ニッサンインテリジェントモビリティ」を通じて、ユーザーがワクワクするような体験を実現する、という方針を掲げ、クルマの「電動化」と「知能化」を推し進めている。
「電動化」においてはEVのリーフを2010年12月に発売し、今年9月に2代目へ進化。その間に充電インフラも充実し、今年8月時点で急速充電器は7,218基、普通充電器は21,338基に増えたという。
「知能化」については、昨年8月に発売した新型セレナで「プロパイロット」を初めて搭載し、その後エクストレイル、新型リーフにも設定。「交通事故低減に寄与するには普及させなければ意味がなく、そのためには量販モデルにリーズナブルな価格で設定しなければならない」と、プロパイロットを単眼カメラで安価なシステムとした意義を強調した。
そして日産は、2018年に高速道路での車線変更にも対応する自動運転、2020年に市街地で交差点にも対応する自動運転、2022年に完全運転を実現するロードマップを描いている。また、完全自動運転を基盤としたモビリティサービスの提供に向けた取り組みを、日本ではDeNA、北米ではNASA、欧州ではトランスデブと共同で進めている。
だが、完全自動運転の実現に向けては、「人がクルマから乗り降りする際にトリッキーな動きをすることが多く、インフラ面を含めて課題は多い。これらは日産だけで解決できるものではなく、様々な分野との協業が不可欠」だという。
その先にある将来のモビリティ社会においては、再生可能エネルギーのみで走行でき、サステナビリティが確立され、渋滞ゼロ・事故ゼロが実現していることだろう。その将来の「ニッサンインテリジェントモビリティ」を体現したのが、今回の東京モーターショーで発表したコンセプトカー「IMx」だとして、講演を締めくくった。
また、「TOKYO CONNECTED LAB(トーキョーコネクテッドラボ)2017」日産ブースには、「IMx」と同様に複数のレーダー、カメラ、レーザースキャナー、ソナーを搭載して360°センシングを可能にしつつ、車両とリアルタイムの道路形状・状況をオペレーターが監視する「シームレスオートノマスモビリティシステム」と組み合わせることで、無人運転時の事故発生リスクを極限まで低減させた、北米で実証実験を行っている先代リーフをベースとした車両を展示している。
同社グローバルモーターショー部 兼 企画・先行技術開発本部技術企画部の石原達也主担は、「この車両は通常は自律運転しますが、工事現場で手信号を行っている時や、ドライバー同士でアイコンタクトをするような、AIが判断しきれない時にはオペレーターが判断を補完します。これは2022年に完全自動運転を実現した際に発生する様々なハードルの一つを乗り越えるものです」と説明。解決すべき課題はまだ多いものの、5年後の完全自動運転実現に向けて着実に研究開発が進んでいることを伺わせた。
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