植物由来のポリウレタン原料を使用 コベストロジャパン:ワイヤーブラシで付けた傷も常温で瞬時に元通り! 自己修復性ポリウレタン塗装【人とくるまのテクノロジー展2019名古屋】
- 2019/07/24
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遠藤正賢
ドイツ・バイエルグループが同社の素材科学事業を2015年9月に分離することで誕生した、ポリウレタンおよびポリカーボネートを中心とした化学品メーカー・コベストロ。その日本法人・コベストロジャパンが、7月17~19日にポートメッセなごや(愛知県名古屋市)で開催された「人とくるまのテクノロジー展2019名古屋」(主催:自動車技術会)に出展し、新規開発品として「自己修復性ポリウレタン塗装」を出品した。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●遠藤正賢、日産自動車
自動車の塗装は、衝突や飛び石で大きく損傷するのはもちろん、ホコリが表面に乗った状態で拭き上げたり風で行ったり来たりするだけで、細かなスリ傷が入るほどデリケートだ。これはボディコーティングを施工しているクルマでも基本的に変わりはなく、塗膜の最上部にあるクリヤーまたはベースコートの上に別途、それらの身代わりとなり傷つくことで保護する被膜を形成しているに過ぎない。
だが、その例外的存在と言えるのが、自己修復性耐スリ傷クリヤーと呼ばれるもの。樹脂の分子結合が高密度なうえ柔軟で弾性があり、磨き傷程度であればその柔軟性で自動的に復元する性質が備わっている。日産の「スクラッチシールド」やトヨタの「セルフリストアリングコート」がその代表例だ。
コベストロの「自己修復性ポリウレタン塗装」も基本的には同様の性質を持つが、植物由来のポリウレタン原料を使用しており、かつ「ポリオールとイソシアネートの配合を変更し、より柔軟にすることで、常温でも短時間で傷が修復されるようにした」(同社説明員)ことが大きな特徴。
同社ブースでは従来のクリヤーを写真右側に、「自己修復性ポリウレタン塗装」を左側に塗布したテストピースを、ワイヤーブラシでこするデモンストレーションを実施。右側は目を凝らさずとも見えるほどの傷が残る一方、左側はこすった直後こそ傷が入るものの瞬時に回復し、元の輝きを取り戻していた。
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