旭ファイバーグラス、東京理科大学、滋賀県立大学と共同開発 出光興産:ガラス代替を狙える透明なポリカーボネート「タフロン 高強度・高透明GF-PC複合材料」【人とくるまのテクノロジー展2019名古屋】
- 2019/07/27
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遠藤正賢
石油元売り大手の出光興産は、7月17~19日にポートメッセなごや(愛知県名古屋市)で開催された「人とくるまのテクノロジー展2019名古屋」(主催:自動車技術会)に出展。開発中の材料として、同社のポリカーボネート樹脂(PC)「タフロン」を用いた「高強度・高透明GF-PC複合材料」を出品した。
PHOTO&REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
出光は1957年よりPCの研究に着手し、69年には「タフロン」の商業生産を開始。PC材料の製造に関しては、すでに半世紀もの歴史を持つことになる。
その用途は、光ディスクをはじめとして、自動車用ヘッドランプにバイクの風防、ヘルメットのシールドに、高速道路の防音板、カーポートやアーケードの屋根材などと幅広く、自動車業界関係者ならずとも身近な存在と言えるだろう。
出光ではそのPCにガラス短繊維(GF)を配合し、強度・剛性を高めるとともに熱伝導率を大幅に下げた「GF-PC」を設定しているが、GFとPCとで光の屈折率が異なるため、GFとPCの界面で光が散乱し不透明になるのが課題だった。
そこで、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「高強度・高透明GF-PC複合材料の開発」において、ガラス繊維メーカーの旭ファイバーグラス、東京理科大学、滋賀県立大学と、この課題を解決する材料を共同開発。GFとPCの屈折率をほぼ一致させることで、透明かつGF-PCの高強度・高剛性・低熱伝導率を兼ね備えた、新たな「タフロン」を実用化する目途を立てている。
なお、出光ではこの新たな「タフロン」を、「ガラスより軽量かつ断熱性が高く、成形自由度も高い代替品として、自動車のみならず航空機や建築用途にも提案していきたい」としている。
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